近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

DX社会、営業の新規開拓の方法は二極化する

営業の新規開拓は、中小企業にとっても大企業にとっても企業経営の生命線だ。

もちろん、既存顧客をフォローするルート営業が主軸の会社もある。

 

しかしながら、今のように経営環境の変化が激しいと、矢継ぎ早に事業創造、新商品開発と企業も柔軟に進化をしなければ生き残れない。

となれば、常に新しい顧客を探す必要性はますます高まってくる。

toBでもBtoCでも新規顧客開拓は骨が折れるしコストがかかる。

今回は、BtoBに焦点を当てて、ここ数年の新規顧客開拓におけるやり方の変化を考えてみる。

 

特に、コロナ禍が発生したことにより、従来通りの訪問営業、顧客との直接の面会による商談が制約を受けた時期が長かった。私たちの会社もそうだが、2年ほど前から、ほとんどが、オンラインでの営業となった。これは、すでにつながりがある相手先は言うまでもなく、初対面でもそういうケースが増えた。

 

新規顧客を発掘するときの方法は幾つかある。

オーソドックスなものを挙げる。

いの一番に浮かぶのがテレアポ。当社も創業時は毎日行っていた。あれから20年以上過ぎ、今でもその時に開拓した顧客は、当社の顧客基盤になっている。

これはベンチャーや中小企業だけではない。大手企業もテレアポは定番だ。電話帳や業者から購入した名簿を頼りに、電話をかけるわけだ。ほとんどが断られる。根気と確率の勝負だ。

 

これと似たようなものに、飛び込み営業がある。営業パーソンが、オフィスビルを見つけては、1社1社、飛び込むわけである。流石に、コロナ禍では皆無になったであろうやり方であるが、私が創業した時は、これまたあたり前の営業スタイルだった。

次ぐらい来るのが、セミナーによる新規開拓。顧客が興味を持ちそうなテーマの講演を企画して、来場した聴講者を潜在顧客化するものである。一気にクロージング狙いのセミナーもある。

大きな展示場で行われる展示会に出展する方法もある。こちらもコロナ禍で制約を受けた。そして今、オンライン展示会も増えた。

 

後考えられる新規開拓は、様々な情報発信により問い合わせを増やす。WebでSEO対策をする、メディアに露出する、書籍を出す、そして今どきであれば、SNSを使う。このあたりは、ますます盛んになる方向であるのは疑いようがない。それにコロナ禍が相当拍車をかけた格好だ。

 

先日、若手の友人の営業パーソンと新規開拓の話で盛り上がった。その会社は、営業部隊が数百人いるが、全員がテレアポを行っているという事であった。時代が時代だけに私は少々驚きだった。

 

他に方法はないものかと思うのだが、逆に言うと、一番固いやり方なのかもしれない。今、ネットを活用したビジネスが増殖している。動画を使った顧客開拓があっという間に当たり前になった。いわば、営業のオンライン化、デジタル化である。こちらは、まだまだ、延びていくのは間違いない。

では、テレアポや飛び込みと言った、基本的には人間がアナログで行うこのオーソドックスなスタイルは一体どうなっていくのだろうか。

 

もしかしたら、たまには、直接、営業パーソンからコンタクトとしてもらいたいという欲求が、こんな時代だからこそ、あるのではないかと、今、仮説を立てている。

 

デジタル社会が進展すればするほど、人はどこかで、ふと、アナログ的な人間同士のコミュニケーションを求めるのは間違いない。

こんな時代だからこそ、テレアポはとても新規顧客開拓の有効な手段かもしれない。そう考えるとDMや手紙もそういう部類かもしれない。SNSで気楽な誰とでもつながれる時代の、アナログ的なやり方に、価値が再発見されるかもしれない。そう思うと、この先の変化は楽しみでならない。

 

 

以上