近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

何でもかんでも調査が先の日本は大丈夫か?

何事もやってみないと分からない。

私の信条の一つである。

なにも、ビジネスの新規事業のことだけを言っているのではない。

人生そのものがやってみないと分からないと思っているし、そういう感覚で日々過ごしている。

"人間万事塞翁が馬"ということわざについても、最近のブログでも触れた。

https://ameblo.jp/kondoh-blg/entry-12749101048.html

 

 

 

今回は、ビジネスの世界での日本の行動を心配している話を書こうと思う。

 

FSという仕事がある。英語のfeasibility study の略語である。あまり一般的ではないが、ある世界の人たちにとって当たり前の仕事である。日本語で事業可能性調査と呼ぶ。私もベトナムなどの新興国でこういう類の仕事を沢山、受託してきた。

 

周知のように、ここ10年以上、日本も東南アジアなどの新興国への進出ラッシュだ。コロナ禍で一休みの感はあるが、そろそろ、以前の勢いも凌駕した動きの予兆がある。

コロナ禍を日本人だけでなく、世界の人たちも同時に体験した今、日本の新興国ビジネスの次の一手は何だろうか?コロナ禍前のようにFSをまずやって。に戻るのだろうか?

 

結論から先に言うと、今度こそ、日本に変わってほしいと切に思う。ただでさえ、日本は、この20年ぐらい、ベトナムに限らず、ミャンマーでもアフリカでも、なかなか実行しない日本と言われ続けてきた。

要するに慎重なのである。だから、徹底的に調査をする。視察も似たようなもので、たった数日の視察と、現地の調査、市場調査、企業調査などに明け暮れていた日本。石橋を叩き過ぎる日本。

 

どんな世界でもそうだが、知り過ぎるとリスクが目について、なかなか、実行に移せない。日本は、NATO(NoActionTalkingOnly)だった訳である。

 

実は、海外ビジネスだけとは限らない。国内ビジネスにおいても、大企業はFSを多用する。確かに、そういう調査能力は一流だろうし、調査するためのつながり力も群を抜いている。だから、正確な現状把握はできるだろう。

だからと言って、常に先行きは不透明、当たりはなかなか出ない。

世の中を変革するようなビジネスだとしたら、調査でその予兆などはつかめない。

だからこそ、変革とも言えるのである。今、世の中は、驚くばかりのDXブームである。DXについては、私の見解は、懐疑的であるが、変革が必要であることは疑う余地はない。

 

だからこそ、何をするかである。また、中央省庁や行政の仕事を長年していて思うのだが、調査仕事がどれだけ多いかだ。膨大な税金を投入して、日本は様々な事を調査している。地方の現状や高齢化社会の進展、海外から来た人たちの意識調査、今では、海外の先進的なIT活用モデルなども増えてきた。これまた調査調査である。

 

もちろん、行政などの役割としては、正しくもある。なぜなら、民間の様に事業創造する訳でもなく、ビジスネモデルを考案する訳でもない。まして、実行者ではない。こういう調査の役割をシンクタンクと称するとすると、今は、日本全体がシンクタンク状態。

考えて調べて、そして考えて、さらに調べる。

いつになっても実行しない。

 

なぜ、今の新興国に勢いがあるか?

どうして、日本の戦後からの高度経済成長期が実現できたのか?シンクタンクできなく、ドゥタンクだったわけである。

先行き不透明、混沌とした中、這い上がるしかなかったから、希望や目標だけをひたすら見つめて、とにかくやってみたわけである。もちろん、時代は変わった。やみくもにするだけの話ではない。ただ、ちゃんとした調査などしなくても、例えば、新興国であれば、その住民と直接コミュニケーションすれば。知りえることも沢山ある。

 

今までの様な調査は無駄な仕事、無駄なコストになる変化が劇的に進んでいることを日本人は知らないといけない。

調査は、必要がない時代の到来なのである。

 

 

以上