近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

今の子供たちの原体験は何だろうか?

自分自身の子供の頃の原体験というのは、人生の土台だし、故郷でもある。

学生時代は、とにかく、田舎を離れ親元を離れ、開放感の中、自由に好き勝手に日々を過ごしていた。

学業はそっちのけで、ひたすら遊んだ。今にしてみれば、懐かしい貴重な時間だったと思う反面、もっと、若いうちにできたことは沢山あったと思っている。

後悔しているというのではないが、仮に何かの縁で、バックパッカーで世界を周っていたら、当たり前だけど全く違う人生になったと思っている。

 

結局、学生時代の選択が今に至ると思えば、可も無し不可も無しと言ったところだろうか。

 

40歳過ぎるころから、自分の生まれ育った環境を語ることが増えてきた。特にベトナムなどの新興国では、私が農家で生まれ育ったことは、沢山語った。やはり、日本の昔のような情景や生活様式に触れていると、自分自身の体験とオーバーラップする。

だから、自然と、農家ネタが話題になった。

そういうことを繰り返していると、日本の都会でいる時は、あまり意識はなかったのだが、自分自身の原体験は農村にあると意識が高まってくる。

 

今は、コロナ禍の影響もあって、3年近く海外にはいかず、日本で過ごして来た。自然と地方との接点や活動が増えている。そうすると、やっぱり、私の原体験が呼び覚まされるのである。

 

どんな人にも子供時代の原体験がある。

昔の人は、都会で生まれ育った人もいるのは確かだが、人口の大半が田舎生まれだったと思う。だから、私より上の世代の人と話しをすると、実は、田舎出身でね。ということになることが多い。

 

今、子供達のほとんどは、都会に住んでいる。都会での生活が原体験になる子供たちが大人になった時、どういう思いを抱くのだろうか?

日本は自然豊かな国であるという体験はいつどこでするのだろうか?こんなことを考える日々も多いのだが、今の子供たちの原体験が、ネットやバーチャルな世界だけになってしまわないだろうかと心配することもある。

 

すでに、子供達の世界にゲームが拡がって久しい。私もゲームは子供の頃、インベーダーゲームなどをしていたので、ゲームを全く否定している訳ではない。

しかし、現実的にはゲーム脳と問題視されてきたように、何らかの悪影響があるのも事実であろう。今は、これがどんどん発展して、メタバースの世界と融合する。

またまた、子供の頃の原体験が、仮想の中の世界で行われることになる。

もちろん、バランスの問題なので、ちゃんとリアルな生活空間で充実した原体験があれば良い。

 

理想的には、自然の中での活動が望ましい。

少なくとも、今の子供たちが数十年後振り返る、自分たちの子供の頃の原体験が、今であるとしたら、それは結構不安になる。

どうせなら、バーチャルな世界だとしても、昔の日本、自然環境をベースに生活していた頃の原体験ができるような環境が必要に思う。

 

そうでもしなければ・・・。

人間そのものが自然の中で生かされている動物であることを忘れてしまう。そして、自然は無限に享受できると錯覚してしまう人間が増えていく。こんな世界に危機感を持つのは私だけだろうか・・・。

 

 

以上