近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

動画で会社のノウハウや技をためて使う時代

もう20年前になる。

暗黙知を如何に形式知に変えるかという仕事を数多く手掛けたことがある。

特に中小企業の現場では職人や匠の技を持った人たちが活躍していることが多い。当然、属人的な仕事の世界だ。こういうノウハウ技を共有するのは至難の業である。

 

特に経験と勘と度胸の世界で、背中だけを見せる職人やプロが当たり前の時代だった。

私はITで会社に重要な情報、つまり顧客情報、営業情報、技術情報、クレーム情報などを組織的に共有して、企業力を向上させるお手伝いをしていた。

 

その時にどうしてもぶつかる壁が、属人的なスーパーに仕事をする職人や技術者、そして営業パーソン達であった。

例えば、営業組織だとして突出したトップセールスに会社の受注の80%ぐらいを依存している中小企業は多い。もちろん、これが経営者自身と言うケースもあるが、これはある意味安心だ。

 

幹部社員などに依存していることが最大のリスクである。引継ぎができないのは言うまでもなく、そういう幹部が突然の退職や何かあると、たちまち会社の業績は悪化する。

今の時代は営業活動でもITを使い、見える化をすることが常識にもなって来た。ましてや営業商談が見えなくて、情報の共有ができないスーパーな人は、組織力の観点からは必要がない時代だ。

 

平均的な営業パーソンがITを駆使してチーム活動できることが理想と言える。

こういう的に営業のノウハウを組織で共有出来るかどうかは大きな鍵だ。人から人への伝授は限界がある。今はもっとダイナミックな仕組みが出来る時代だ。

 

最近は、仕事のノウハウや技を動画で残せる時代になった。例えば、YouTubeで検索してみると、工場の職人技の動画も沢山ある。

こういうことを公開する目的と言うのはあると思うが、一般的な常識からすると自社のノウハウやスキルの源は、自社用に活用するのが正解だ。

 

昔から、営業の現場では、営業力を鍛えるために、ロールプレインングという練習をする。今は動画をコンパクトに作ればこのデジタルコンテンツが営業の代わりもできる。特にきっかけ創りにはもってこいだ。

 

また、動画コンテンツであれば、わざわざ当該の営業の指南役が直接教えなくても、動画が先生替わりをしてくれる。

 

中小企業は、業務の標準化や手順化が苦手だ。IT活用がままならないことと相まって、組織としてのノウハウや技術スキルを活用するにも、そういうものがデータ化されて活用できる状態になっていないことが多々ある。

 

書類ベースにこれからの標準化や共有化するのにはそれなりに骨が折れるしコストもかかる。まして、外部の専門家に依頼するととんでもない金額になったりする。それに比べると、社内利用であれば、動画の質や構成などにはそれほど気を使う必要もない。

例えばベテラン営業パーソンのお手本トークやロールプレイングの様子を動画に残すだけでも活用できる機会は激増する。

 

これは営業の現場だけではなく、製造業で言えば、機械装置の操作の方法やメンテナンスのやり方などは動画がとてもマッチする。  

中小企業の現場には、こういった動画にしやすいノウハウや技が沢山ある。なかなか先の事に対しの活動が出ない中小企業ではあるが、実際に使う機会は先に考えるとして、すぐにでも動画として記録しておくことをお勧めする。

 

そうすると、いつか必要に迫られた時にいつでも活用できる。

中小企業こそ、動画をもっと有効に活用するべき時代だと思う。

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以上