近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

名刺交換はこれから先どうなるかを考えてみた

最近、すっかり、新規の名刺の数が減ってきた。

 

一方で、コロナ禍以前と変わらず、新しいビジネスでの出会いはある。

日本の特徴という印象も強いが、アジアでも名刺は普通だった。この辺りでビジネスをしているとも、私のような仕事は名刺がビジネス活動の生命線だったりする。

 

私も約30年で出会った人の数を数えれば、一万人はとっくに超えている。

ただ、今でも付き合いがある人と言えば、その十分の一にも満たない。

 

コロナ禍が明けたときにはどうなるか分からないが、ビジネスの世界では異業者交流会や正月の賀詞交歓会など、様々名刺交換する機会は多い。

営業の現場でも特段、相手のことを気に入っていなくても名刺の受け渡しをする。

 

飛び込み営業でのとあえず、名刺だけでもと渡してくる仕事があったりする。あと、たった20年前でも、官公庁の担当者の場所には、名刺入れがあった。どれだけ足しげく通ったかを名刺の数で判断して、指名入札を決めるというような、今から考えたら信じられない風習もあった。

 

私の世代であれば、ビジネスは名刺が必須で仕事を覚えてきたと思う。

 

あと、もっと印象的なのは、出来る営業パーソンは、名刺ホルダーなるものを持ち歩き、それを見ながら、営業戦略を考え実際の営業活動に使う。

 

私は、そういう人を見てずっと思っていた。それ落としたらどうするんだろうと。

 

私はたまたま、働きだした時から、ITの仕事に関わってきたので情報管理には敏感でいられた。実際に私が起業してからも名刺管理については口うるさかった。

 

新卒社員には、まっさらだから教えやすかった。自社のやり方を教えれば済むので、名刺管理をデータ化するのは結構楽だった。一方、中途社員には骨を折った。名刺ホルダーから始まり、何かお客さんに連絡するときに、毎回、数ある名刺から当該のものを探し、それで電話をかける。

 

ITをしている会社としてもイメージに合わないし、そもそも、そんな危なっかしいことをやめるように何度指導した事か。

こんな風習は、今でもなくなっていないと思う。

 

実際には、コロナ禍で直接会うことは極端に減ったので、生の名刺を持ち歩くことも、生の名刺を検索することも減っていると思うが。

 

世の中変わりだしたら早いもの。

実際に私は、この1年で振り返っても、まだ、直接お会いしたことがないが、オンラインで何らかでお会いした人が軽く100名は越えた。オンラインでセミナーやフリートークをしていることもあるが、一方で、いつも通りの知り合いからの紹介であったり新たな出会いであったりのなかで、最近は最初の面会はオンラインが圧倒的だ。

 

だから名刺交換は基本的にない。

コロナ禍以前もオンラインを使っていた私としては、名刺に比重を置く習慣だった。例えば、私が海外で、初対面の方が東京オフィスだった場合。

私の同席スタッフが代行で名刺の交換をするということを大事にしていた。

 

今は、お互いが在宅かテレワーク。

生の名刺が存在しない大事な方との付き合いが急増中である。

 

今、名刺管理をクラウド管理するサービスは山のようにある。そういう私も20年前、eネームカードという概念のクラウド型システムのビジネスモデル特許を申請しようとしたことがある。

 

その時は、名刺を情報のベースにはしていたが、名刺に刷り込むQRコードでサーバーの情報にアクセスするイメージだ。

今、次世代の名刺交換の姿を真剣に再考している。考えてみれば、それはすでにSNSであったりもする。一方で、名刺文化が数年で消えてなくなるとは思わない。

 

名刺も紙資源だ。環境的にはよろしくない。コストもかかる。さて、お互いのプロフィール情報の源としての役割はすでに代替えが幾らでもある。

 

でも、初めまして。というコミュケーションの第一歩の作法、儀式にとって代わるものは何になるのだろうか。何かないと寂しいと思うこと自体が、時代遅れなのかもしれない・・・。

 

以上