近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

起業に準備と勉強はどれぐらい必要か

起業塾、創業塾。

あるいは言い方は違うかもしれないが、この類の勉強会やセミナーは、起業数が欧米に比べて圧倒的に少ない日本でもそれなりに存在する。

逆に言うと、少ないからこそ、起業家を増やそうと言う意図も理解する。また、中小企業の第二創業も創業塾の対象となる。

 

仕事でもスポーツでも、全くの素人で独学での上達はなかなかしんどいものがあると思う。

だから、学ぶことは大切だ。

とは言え、起業は特殊な行いだ。一つの根拠は、世の中で働く人で、起業する人は少ない。

多分、10人に一人はいないと思う。

 

一般的な仕事を学ぶのとは違う。また、起業の特徴として、チャレンジ、成功願望、独立心などがあるが、困難に打ち克つ力が必要される。つまり、知識やノウハウも必要なところはあるが、そういう事よりも、精神力、ちょっと横文字で書けば、メンタル面の強さが必要である。これは、感覚的には、誰にでも分かる事だ。

 

もちろん、オリンピック選手になるほどの狭き門ではない。ただ、やはりリスクが伴う。仮に、セーフティーネットにとことん守られた起業家を輩出するとしたら、それは、もはや起業家とは言えないだろう。

どんな世の中もいつの時代も、動機や理由はよく分からないが、人がしないことにチャレンジしたくなる性分の人は少なからず存在する。

 

先日も、冒頭の起業塾、創業塾が気になって、ネットで調べてみた。なるほど、バラエティーに富んでいる。地方自治体が主催する分だけでも、数十の参加者募集案内が見つかった。一つずつを見たわけではないが、ざっと見て、表現の工夫は感心するほど様々だ。

 

要するに、この類は集客してなんぼだろう。

もちろん、中身に関しては、千差万別と言ったら失礼だが、会計や人事労務の知識から法律、ITなどバラエティーに富んでいる。中には、定番でもあるが、起業の先輩の講義があったりする。

 

実は、私は、ブレインワークスを有限会社として29年前に創業した。数年後に株式会社に変更した。その頃に、別会社のエムアールエスブレインという起業支援の会社を設立した。この時の動機というのは単純で、世の中、第三次ベンチャーブームが始まった頃で、自分なりの起業支援のイメージが浮かんだのである。

 

今でも変わらないところがあるが、成功した経営者が起業を目指す人に対して、セミナーする、レクチャーするという場は意外と多い。きっと、成功した人が望まれることが多いからだろう。

 

私も、当時、時々、そういうセミナーも参加したことがある。へそ曲がりの私が、そういう中で思ったこと、起業したばかりで、明日どうなるか分からない経営者として、たった一年やそこらの一歩先の経営者として、起業支援を本業の一つにしようと思って、別会社を創ったのである。

 

そして、3年後には、起業したばかりの企業支援を全て完全成功報酬で数10社していた。

実に面白かった。振り返ると、こちらの力不足で、迷惑をかけたケースもあれば、こちらが何もしなくても成長していった企業もあった。つまり、当時何か教えられるようなことは何もなかった。いわゆる伴走をしようという意識だった。

 

その後、場所は海外に移った。韓国のベンチャー支援、ベトナム、他の新興国と、今では、日本企業に限らず、新興国の企業支援も手掛けている。企業支援の中に位置づけて、起業家の支援も行っている。

約25年前を振り返って思う事。それは、あらためて成功報酬型の起業家支援、事業創造支援を再構築しようと思う。その中身は、起業のための知識やノウハウではなく、社会の課題や世の中の問題を知る。そして、その方法を一緒に考えて行動する。こういう起業家の支援を真剣にしようと思う。

 

以上