近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

人のマネジメントとコストのマネジメントの相関

仮にコストを度外視して、仕事で人のマネジメントをするとしたら、どうだろうか?

 

率直に、とても簡単な事だと思う。

もちろん、人が人のマネジメントするのはそれなりの苦労はある。

組織やチームで何か目的をもって活動することは、仕事以外でも、それを取り仕切るマネージャーの存在が必要だ。

意味合いは少し違うが、子供の頃であれば学級委員長という役割だろうか。

 

今回は、仕事におけるマネジメントを主眼に置いて、人のマネジメントとコストのマネジメントの相関を考えてみる。

 

まず、会社経営におけるコストとは何かだが。会社は単年度にしても、中長期的な複数年度にしても、経営目標や目指すこと、実現することがあって、それを達成するために人が組織的に活動する。一人社長と言うケースは除外すると基本的に社長には部下がいる。

 

純化するために、部下しか動かさない前提での事業活動を考えてみる。

まずは、社長という立場になれば、自分の報酬=コストをどうするかを常に考える。

創業したらすぐわかるが、最初の月から、ちゃんとした報酬を会社からもらうのはほぼ不可能だ。

 

もちろん、世の中には例外があって、何らかの理由で潤沢な資金を確保できて起業すれば、最初から社長としていっぱしの報酬は受け取ることが出来る。

 

ただ、これは本来の意味の起業とは言い難い。やはり、自らの意志で創業したからには、自分の報酬は成功報酬が原則だ。

では、家族を養えないではないか?とすぐに思いつくだろう。会社員であれば、結構な人がそういう発想になると思う。

 

よく言われてきたことだが、半年ぐらいは無休で乗り切る覚悟がないと、起業は上手くいかない。

 

これを乗り切るための方法は幾らでもある。超堅実に行くなら、起業の前に1000万円ぐらい用意しておく。ただこの場合でも、1年もして収入がなければ会社はそこで終わりだ。どんな起業にしても、いわゆる稼ぎが作れないと成り立たないのである。

 

だから、事業計画云々も大切でないとは言わないが、なくても稼ぎさえすればよい。

大体の創業社長のコスト意識はこんな感じが原点だ。もちろん、私もそうやって来た。

 

だから、今でも自分の報酬は成功報酬が原則として仕事している。

そういう前提で、社員のコストを考えいくと、基本的には会社全体のコストで見たら全体は成功報酬と同じだ。会社全体で、稼がない限り社員の報酬は支払えないのである。

 

まあ、例外的に今は、スタートアップというレアな概念があり、超スピード成長するかもしれない会社に潤沢な資金が集まる。全部が成功することはありえないが、こういう会社が上場せずともユニコーンと呼ばれるようになる。

こういう特殊な場合は、数年間は赤字が続いても会社はもつ。あとは少ない確率で、収益化ができるかどうかだ。

こういう例外を除くと、基本的には人件費は会社経営の最大のコストと言っても過言ではない。業種業態や経営者の考え方によっても違いはあるが、やはり、人を動かすという事はコストをどう考えるかという事だ。

 

世間ではジョブ型労働の議論がコロナ禍のなかで再燃しているが、経営者の本音は社員も成功報酬型であってほしい。 

ただ、それでは望む社員を採用することはとても困難で、そこに妥協が生まれる。それでも、プロ意識の高いあるいはプロを心底目指す新人が集まれば良いが、残念ながら人間は組織に依存する。大勢で綱引きをするのと同じで、誰もが100%の力を発揮することはまずない。

 

社員が10人でも100人でも基本は同じだ。

強い会社になるには、創業社長以外でコストのマネジメントが出来る幹部が増えないと、会社は安定飛行できない。

コストを度外視した人のマネジメントは、私に言わせれば、マネジメントごっこである。

画像1

以上