近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

シニアでないと出来ないことは何か?

シニアの方の遣り甲斐や働く機会の創出、社会活動への参加など、色々と充実したシニアライフが送れるように社会が進化することは、誰にとっても望ましい。

一方で、シニアが若者たちと競い合いながら、働いたり活動したりすることはあまり望ましくない。出来る事なら、シニアだから出来る事、シニアにしかできない領域を担ってほしいし、そういう機会を増やしたいと思っている。

 

そういう中で、まず考えられることですでに世の中で行われていることであるが、シニアの豊富な経験を活かすという事が挙げられる。

これは一番もっともらしく聞こえるが、残念ながら、シニアが昔活躍した時代と今では隔世の感がある分野が多い。

特にデジタル社会の進展でDXが叫ばれる中、流石に、こういう世界の変化や現実の中では、シニアが貢献できるところは少ない。

 

また、顧問という役割がぴったりとも言えるが、これも限られている。今どき、経営者や企業が、シニアの顧問をどれだけ必要とするかである。

一番に思いつくことは、人脈だろう。この人脈にしても、過去の人脈では、それほど魅力はない。

やはり、どの企業も望むのが、新たなる人脈の開拓である。そうすると、シニアにとっても昔のつながりだけでなく、新たなつながりを創れるかどうかにかかってくる。

 

私はネガティブな話をしたいわけではなく、これからのシニアの活動の可能性を拡げたいと常々思っている。少なくとも、シニアでなくても誰でもそうだが、自分の強み弱みを把握することは大事だ。ジョハリの窓という考えもある。

 

まずは前者を考えるが、ビジネスの最前線でもよく使われるフレームがある。SWOT分析だ。これを使って、シニアの強み弱みを分析してみる。もちろん、個人差があり特にシニアの世界は多様であることは前提であるが、シニアとシニアでない層の対比で考えてみることとする。

 

シニアの強みは何か。

人生経験において百戦錬磨である。昔の日本を知っている。概ね地方での生活を体験している人が多い。などがあげられる。 

 

では、弱みは何か。

体力が衰える。個人差がかなりあるが、記憶も衰える。新しいことを創めるのがおっくうになる。移動に骨が折れる。

 

次に、脅威を考える。

人生100年の中、生活に対しての不安がよぎる。これは社会全体のあり方にも依存する部分が多い。健康を害した時の対処が大変である。脅威に関しては、本来は日本の国の様な先進国であれば、多くはないはずだが、今のところ、世の中は不安が先行するようなムードに包まれている。 

 

最後に機会を書いてみる。

人生100年と思えば、まだまだ、人生を満喫できる。労働力として期待した場合、日本の国力の底上げが期待できる。今、世の中は社会貢献の重要性が増している。田舎暮らしの大切さが見直されている。農業を筆頭に自然産業が有望産業である。世界のこれからの国は、日本をリスペクトしているし日本に学びたいと思っている。デジタル技術をシニアでも使える時代である。

 

こんな風に、機会を書き出したら幾らでもある。もちろん、どう考えるかによってSWOTのそれぞれを沢山書きだすことが出来る。

 

だが、私は思うがやはり気持ちが何より大切だ。

悲観主義は気分に属する、楽観主義は意志に属する”というフランスの哲学者アランが言っている。

 

どうせ楽しく人生を満喫するのであれば、楽観主義でいたい。だから、私はシニアの方にもシニア予備軍にも勧めたい。シニアにまずは出来る事。人生経験豊富な中で、楽観主義でいましょうと。

 

そうすると、シニアでしか見えないものが見えてくる。ジョハリの窓で言うと、シニアには見えていて、シニアではない人には見えないもの。これは沢山あると思う。

もちろん、シニア以外に見えていて、シニアには見えないもの、分からないものも沢山あるが、それは単純に、シニア以外に頼ればよい。特にデジタル技術は、身近らが精通するシニアも必要だが、シニア以外に頼っていけばなおよしと考える。

 

以上