近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

アナログ社会とDXとのかかわり方

アナログとデジタルと対比すると、相反するもの、真逆のものとしてとらえる人が多いと思う。

アナログとは現場、田舎、農業などが象徴的である。

 

DXが今、大流行している。

DXはデジタル技術を駆使して、社会やビジネスを変革するという考えであるが、ここで言うデジタル技術というのが、実に分かりにくい。

 

技術、あるいは科学技術と言えば、今の社会は科学技術の進化による恩恵を受けたものが多いのは自明の理だ。

例えば、車を考えてみる。

車は科学技術の粋を結集して創られている便利な乗り物だ。常に日進月歩。今ではGPSと連動したカーナビは当たり前、通信でつながっている車も増えてきた。そして、車は電気自動車、自動運転と進化する。

 

実は、この車、デジタル技術が至る所で使われている。コンピューター制御されているという理解で間違いない。

車が日本に登場した頃の日本の社会は明らかにアナログの世界だった。

今でも田舎に行けば、アナログの世界が主だが、その当時の日本はアナログ全開だった。

アナログ世界に、車という科学技術の粋を集めて誕生した車が存在した訳である。

 

そういう意味では、科学技術の応用の機械や装置は、アナログ世界と共存してきたと言える。鉄道にして、飛行機にしてもそうだ。

駅と線路さえ作れば、どんな田舎の場所でも走らせることが出来る。

 

当たり前のように、アナログの世界に、より便利により快適にすることを重ねてきて、今の様な日本が出来上がった。

そういう流れで、デジタル技術の活用を考えれば、難しいこともなくなるのだが、一番厄介なのは、こういうデジタル機器に囲まれて暮らそうと思えば、使い方に慣れないといけない。

 

そもそも、デジタルネイティブと言われる若い世代を除けば、一般的には、コンピューターに代表される今のデジタル機器には苦手意識が高い。

 

私も40年ほど前から、コンピューターに関わる仕事をしてきたが、やはり、不自由なく使いこなすには、いつのタイミングもそれなりのトレーニングを必要とした。

つまり、ここ4年ぐらいのデジタル機器は、大衆化に向かっている割には、使いこなすのが大変なのである。しかも、目まぐるしく進化する。数年持つことなど最近では考えられない。

たった、1、2年で、バージョンアップと称して、新機種や新機能がどんどん生まれる。言うなれば、メーカーと利用者の鼬ごっこである。

 

デジタル機器へのアレルギーが増殖するのはやむを得ないのではと思う。

人間が生活する主体は常にアナログであることは疑う事のないことであり、議論の余地もないと思う。そう考えると、今が一番の過渡期にあると思う。

 

ここ数年で、もっと簡単にもっと手軽にデジタル機器を使いこなせる時代が、もうそこまで来ていると思う。

デジタル技術やデジタル機器に囲まれていくのは自然の流れとして、それを操作するのに労力もなく、普段のアナログ生活通りに、恩恵を受けることが出来る時代。

それまでの数年間は苦労が絶えないかもしれないが、車が世の中に登場して、生活スタイルが激変したように、楽にデジタル機器やデジタル技術で創られたサービスがアナログの社会に溶け込んでいく。

こういう姿が本当のDXであると思う。

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以上