近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

かまい過ぎの環境に甘える日本人はいつ気づくか

私は1年ほど前に、日本人らしさについてブログを書いた。

 

[日本らしさとは]

 

 

 

手前味噌だが、結構の方にフィードバックをいただいた。

 

1年前、コロナ禍が始まった頃だった。

私はこういう時こそ、日本人らしさを発揮して欲しい。自分もその一員でいようという想いもあり、あの時に思っていることを書いた。

 

あれから1年、色々な情報に触れながら、新興国の友人たちとのコミュニケーションやベトナムルワンダの社員から見えてくる現地の様子。

それぞれの国の事情が分かってくると、大丈夫か日本人?と言いたい気持ちが芽生えてきた。

 

一言でいうとしたら、恵まれ過ぎていて、依存心が強い人たちが多いのが今の日本だと思うのである。

 

先日も、カンボジアの政府関係の仕事をしているカンボジア人の友人とオンラインで話していて、切実に思った。

ベトナムの状況とは違うのだが、何度目かのロックダウンが始まった時だ。

 

彼らは、日本などに比べてとても貧しい。だから住まいにしても大勢が一緒に住むしかない。日本のように一人一部屋のような環境はごく一部しかない。

 

ベトナムはコロナ対策では優等生とメディアで流れている。政治体制の違いもあると言われる。

しかし、こういう現実もある。ベトナムの発展ぶりとは裏腹に、医療については本当に脆弱だ。一部、外資系の先進国並みのフランス系の病院などはあるが、地方に行けば、本当にローカル病院のレベルには驚く。私も数年前、ダナンのローカル病院を訪れたときに驚いたことが今でも脳裏に焼き割いている。ICUの横を私たちが普通に案内された。

外来の患者も廊下に隙間なく座り込んでいた。

もちろん、ベトナム人はみんな知っている。自分たちの医療の現状を。

だから、日本人のような楽観的な行動をする人は、ベトナムにはまずいない。

 

日本はと言うと、先進国同士を比べて、日本の医療がどうだとかいう話はあるとしても、こういう新興国と比べると医療体制にしても医療のレベルにしても恵まれ過ぎている。だから、気が緩む。

 

今は、コロナ禍で医療の事が象徴的だが、日本は恵まれ過ぎて、甘えの構造である。

 

これは、大人のビジネスの世界もそうだし、子どもの教育の場もそうである。

働く人たちも、自分の責任を果たさずに、自由や権利だけを主張する人が多い。

会社に依存している人が多すぎる。

親も子供の教育を学校任せにして、挙句の果てはモンスタークレーマー化するとんでもない人もいる。

 

個別に挙げだしたらきりがないが、様々な事はどこかでつながっているし、根っこは同じところにある。

便利やサービスを求め過ぎて、これを繰り返しているとどんなに素晴らしい環境でも満足できなくなっている。これは、依存である。

 

そして、何か都合の悪いことがあったり、自分の思い通りいかないことがあったりしたら、とにかく人のせいにする。会社のせいにしたり、政治のせいにしたり、しまいには社会のせいにする。

これを繰り返していると日本は本当にダメになると思う。

 

そろそろ、自分たちの置かれている状況や環境、新興国などとのギャップを知る。

ジョハリの窓で言えば、自分が知らない新興国から見える窓を知る。

そうすると、自立した日本人が少しでも増えるのではないかと思っている。

 

以上