近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

三方良しは大事だが、それだけでは間に合わない時代

売り手良し、買い手良し、世間良し。

 

余りにも有名な近江商人の商売哲学、経営哲学である。世間良しというのは、今どきで言えば、社会貢献だ。

 

最近では、これがさらに進化している。四方良しを唱っている人や企業は多い。

会社であれば、従業員が加わったり、家族やパートナーも加わったりだ。

中には、八方良しを提唱する人もいるようだ。

 

使い方は自由なので、気持ちさえまっすぐであれば、四方でも五方でも良いと私は思う。

 

人間は日々の忙しさの中で、自分を失いがちになる。経営者が儲けばかりを追求して、自社最適に走る。

知らず知らずにエゴが頭をもたげてくる。

情報の洪水もエスカレートしている。

そして、人の意見に振り回される。

毀誉褒貶の声も増大する。

 

こんな時代に社会のこと、顧客のこと、会社のことをバランスよく考えて経営することは難しい。

だからこそ、今、三方良しが脚光を浴びるのだと思う。

経営者はブレないことが何よりも重要である。

また、渋沢栄一論語と算盤も、またまたブームになりつつある。

大きなバイオリズムで言えば、今は、渋沢栄一が必要な時代だと実感する。

こういうブームそのものを客観視すると、これまた、人間とはぶれやすいとつくづく思う。

 

近江商人は江戸時代。渋沢栄一は明治時代。

コロナ禍の影響で、温故知新の大切さに気付いた人は多い。

原点回帰も近い言葉だ。

 

かつての日本に、日本人の進むべき道がある。

そういう私も、

自分自身の人生の原点は何か?

経営者として何をなすべきか?

を毎日考えている。

そして、私もこの三方良しを日々反芻している。

私が一つ加えて四方良しとするなら、それは未来良しである。

 

 

 

人間は本能的には、自分だけ、身内だけ、仲間だけ、ここだけ、今だけの行動だと思う。

社会的動物でもあるが、いずれも生きている間だけの行動である。

 

今は、ITが発達したこともあり、過去と今と未来がどんどんつながっていく。

今、私たちが行っていることの結果は未来につながっている。

 

そのつながりの中で、一番影響するのは記録である。記録で未来に残す、伝えることが出来る時代なのである。

 

未来良しは、未来に残しつなぐことと考える。

 

CSR(社会的責任)には長年、日本の大企業中心に取り組んできたが、焦点は今だ。

少なくとも私が知る限りは、この社会的責任に関しては、今に焦点が当たってきた。当然、今の大ブームのSDGSも今だけでは意味がないが、今だけ見ている活動が多い。

 

新興国に目を向けることは未来を見ることであると考えている。

だから、SDGsをするなら、新興国からが私の考えである。

 

そもそも、三方良しの商売に見えても、今は、不道徳な見えざる手が横行しやすい。

まずは、必要なことは、商売の見える化と基本的な道徳教育だろう。

未来のために、今必要なことに取り組めば、自然とこの道は開けてくると考える。

 

以上