近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

人生100年時代が当たり前になった感覚はあるが・・・

“LIFE SHIFT(ライフ・シフト)”という衝撃的な本が発売されてすでに4年が過ぎた。

 

今や、日本の高齢化社会や日本の未来を考える時に、人生100年時代というキーワードが当たり前になった。

 

最近では、LIFESPAN(ライフスパンもなかなか面白かった。

 

私は、2015年12月に、

日本の高齢化社会の中で、何か一つでも新しい活動や仕組みを生み出そうと考えて、

“もし波平が77歳だったら”を上梓した。おかげさまで、この本をきっかけに、シニアの方のつながりは言うまでもなく、高齢化社会の課題解決やシニアの生きがい支援に携わる方々など多くの新しい出会いがあった。

 

もともと、28年前の創業時に、イメージした社会貢献の中の一つとして、高齢化問題に取り組むことを掲げた。創業間もない頃のパンフレツトにも印刷した。その頃普及が始まっていたインターネットを活用した独自サービスのシニアジョブネットも運用していた。名前のごとく、シニアの方に仕事を紹介、オンラインでシニアの方が企業に対してサポートするサービスを目指していた。

訳があって中止したが、この活動の延長に今がある。

 

私が、高齢化社会の問題解決をイメージしたのが30代前半。その私も今は58歳でもうすぐ還暦と言われる年になる。

 

拙著“もし波平が77歳だったら”に照らして言うと、今の60歳は昔で言うと42歳ぐらいだ。実際、この本を著した時の私の年齢が54歳。これは、77歳の7掛けである。

つまり、昔の54歳が、今の77歳だと仮定した本のタイトルだった。

 

あれからたった数年で人生100年が当たり前の時代になった。

私の身近でも70代後半、80代の様々な方とお付き合いがある。皆さん、本当にお元気だ。流石に、90代の方との仕事上の交流はないが、いまや70代は個人差によるのは言うまでもないが、現役感バリバリの方は本当に多い。

 

一方で、健康寿命は男性の場合で約71歳と言われている。平均寿命と9年のギャップがある。この事実は知っている人は知っているが、まだ、一般的には知られていない。

 

当然、医療や介護の世界の大きな負担にもなっている。ご本人も大変だし、周りも大変だ。だからこそ、人生100年時代のブームと呼応するように、健康生活や健康経営がクローズアップされている。

これは自然の流れとも言える。特に、経済産業省が健全な高齢化社会の実現に向けて、健康経営への取り組みを企業に推奨している。

 

多くのシニア予備軍が働く企業において、自社の健康は言うまでもなく、社員が会社を卒業してからも健康であることに対して、企業が責任を持つ時代の到来とも言える。これは社会貢献の取り組み一つであるのは間違いない。

 

元気で100歳までバリバリにアクティブに活動人が増えることはとても望ましいことであるが、一方では、そうでない人も増大する予想で、未解決の問題が山積している。

 

高齢化社会の問題認識は、一言でいえば、知るか知らないかで極端に考え方が変わる。

 

今の日本人が取り組まないといけないことは、今の日本の実情をしっかり学ぶことである。

身内が要介護になって初めて知る人も多い。ニュースで気になることもあるだろう。個人個人で意識は高まりつつある。

 

そういう意味で、冒頭に紹介したような本も役割としては大きい。一方で、負の情報はなかなか表には出てこない。国や行政に任せっきりでもいけない。やはり、基本は自助があっての互助や共助であると私は考える。新興国などでは頼る国も脆弱だ。自助の精神は強くなる。

 

“もし波平が77歳だったら”を出版以来、ある程度は計画的に活動を拡げてきたつもりだ。高齢化社会を学ぶための高齢社会検定の普及にも力を入れている。また、もう何十回とシニアに関するセミナーやイベントも行ってきた。

 

 

この週末は、”人生二毛作社会を創る”を書かれた南あわじ市の守本憲弘市長に御参加いただき、ハピキャリ人生100年フェスタと称して、セミナーやフリートークをオンラインで実施する。日本の高齢化社会を地方の目線で考えたいと思う。

 

 

多くの人が強い想いをもって高齢化社会の課題解決に取り組んでいる。こういう人と積極的につながっていき、日本の取り組みや事例が世界のお手本となるように活動をつづけていこうと思っている。

 

以上