近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

無駄に思えても時には大切なことであると思う仕事

いつの頃からだろうか。

仕事に真剣に向き合うようになったのは。

少なくとも20代の駆け出しのころは、給与をもらうためのみに働いていたと言っても過言ではない。

最近、時々、若い時のことをブログに書くことがあるが、昔の上司が見たら“ふざけるな!”という声が聞こえてきそうに思う。そういう意味では、懺悔ものだ。

 

あれから30年は裕に超えた。

今、一つだけ言えることは、仕事には常に真剣に向き合うようになった。

まあ、世間でも言われているように、たいていの仕事は10年もすれば一人前になる。習い事でも1万時間費やせば、そこそこのレベルに到達すると言われている。

 

私もこのことに関しては、30代から確信をもって部下や法人のお客様に伝えてきた。

当たり前だが、仕事は人生の中でどれだけウエイトを占めるかは、人それぞれである。

また、単純に生活の糧の給与を稼ぐだけの人もいる。一方で、生きがいを感じて一意専心、この道一筋30年という人もいる。

私は、どういうタイプかと言えば、どうせ働くのだったら楽しくしようと思っている。ただ、だからと言って楽がしたいわけではない。

 

スポーツでもアートでもどんな世界でも同じだが、成長のためには少々きつめの目標設定があって、それに絶えず挑戦する。こんな感じが必要だと思うが、私も仕事にはそういうことを求めるタイプだ。

会社経営をしていると、会社員のみをしているよりは、働くことに関してもっと多様であると思う。言い方を変えれば、何でもしないといけない立場である。基本的には選り好みは出来ない。

 

経営のプロと言う言葉があるが、実際の現役の経営者にはそういう感覚はほとんどないと思う。特に、創業者の場合は、経営のプロになりたいのではなく、何か世の中にないものを創造したり、人の役に立つサービスを編み出したり、社会貢献したりと動機は色々だ。

とりわけ、好奇心と挑戦心は創業社長の特徴だろう。

 

仮に経営のプロと言われるようになったとしても、それは結果論である。経営コンサル業として生計を立てることを目指すのならともかく、経営者としては、やはり、事業で結果を出すのが本分である。

 

こんなことを書いてみたが、そろそろ今回の本題に戻す。

仕事をする際に、無駄な仕事の比率はどれぐらいだろうか?仕事のプロになると無駄なことをしないのだろうか?

 

何か仕事を覚えて、それを日々探究しスキルを向上させる。これはスポーツやアートでも同じだ。お手本やノウハウ本があれば、それを真似ればよい。仕事の世界でもそういうスキルや技は先輩から盗めと言われてきた。

脳科学も進化する。ITも使える。ネットで容易に仕事のスキルアップに必要な情報は手に入る。SNSで相談もできる。

 

考えようによっては、たった10年前と比べても、知りたいことは知れるし、動画でも参考になるものは沢山ある。

 

こんな時代に、仕事のスキルアップをどう考えたらよいのか。

ITが特に典型だ。ITの特徴と言うのは、オーソドックスに言えば、合理化、効率化を徹底できるツールだ。また、いままでアナログでしていた仕事をデジタル化すればより生産性が向上すると言われている。一見これは事実のように思える。

 

仕事がオフィスや現場のみで行ってきた時代はコロナ禍を契機に、過去のものになった。

これからは、仕事は自由な時間に自由な場所で出来る時代だ。

もっと言えば、そういう環境で新しい仕事が生まれるだろうし、会社もこれからの経営環境に適応した新しい組織や活動が創まるだろう。

 

私は、もともと、仕事と遊びの境目ぐらいが一番楽しいと考えてきた。

昔書いた拙著“バカモン”にも記している。

こういう感覚は、無駄なこととして一見写るが、これからは、無駄なことが役に立つ時代が始まっているのではと思う。

 

無駄は合理化や生産性向上と相いれないのではない。人間はそもそも、遊びの時間や遊びの間を必要としていると思う。

 

以上