近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

好きな事だけを仕事にしている人はいるだろうか?

好きな事を仕事にできたら幸せか?

個人差はあるにしても、今の日本では人生で仕事に全く関わらない人は珍しい。

 

仕事は何のためにするか?

と聞かれると答えは千差万別だと思う。

年齢によっても相当に違うし、今従事している仕事の内容や職種によっても違う。

 

多くの人にとって一番の憧れの存在だし目立っている部類として、プロ野球選手などが思いつく。もし松井さんやイチローさんに仕事は好きですかと聞くことがあったとしたら。

きっと、好きな野球が仕事になったと言うと思う。この辺りはメディアでも良く見かける話だ。こういう人達を見て、子供の頃は多くの子が夢を持つ。自分が好きな事を仕事にできたらいいなと想うだろう。

 

池上彰さん監修の“ほくらはなぜ働くのか”や村上龍さん著作の“13歳のハローワーク”にしても、そういう感覚の本だと解釈している。

 

しかしながら、そもそも自分が好きな事と言うのは、人生では常に未知数で変化する。それが30歳で見つかるかもしれないし、人によっては70歳かもしれない。

 

だから、本当に自分が人生において、やりたい事、好きな事と仕事が一致する確率は少ない。そういうタイミングで自分の好きなことが仕事になったとしたら、とても幸せであるのは間違いないのだが。

 

だけどもう一度書くと、そういう仕事に巡り合えるのは、人生においていつかは分からない。子供が夢を見るのは大切だが、短絡的に大人が、好きな事を仕事にしようと教えるものではない。

 

一方で、日本に限らないが、年齢に相応した仕事はしないといけない社会だ。なぜならば、よっぽどの特殊な事情がない限り、働かざる者食うべからずと昔から言われている。人間社会は働く事で、生活ができるような仕組みになっている。生活のために必要なお金は、大抵の人にとって働く事で得るのである。こういう社会の現実も子供には教える必要がある。

 

そうすると、好きな事と仕事が一致する確率はとても低いという事が誰でも分かる。私は、子供の夢を壊したいわけではない。

 

私にしても、現実的な話しすると、好きなことだけして生きていけたらよいという願望は昔から強いが、現実はそうそう問屋が卸さない。

やはり、理想は理想であって、現実とのギャップは相当ある。

 

また、会社員と自分で会社経営するのでも相当な違いがある。

よく創業社長は好きなことが出来てよいねとか、自分が好きでやっているから幸せだよねという風な見方をされることがある。全く否定する気にはならないが、世の中そんなに甘くない。たいていの起業家は、自分がやりたいことでは会社の生計が立てられないことに創業して間もなく気づく。

 

そこで、どうするか?会社経営を断念するか、とりあえず、自分のできる仕事に立ち返るかだ。私も30代はそういうことの連続だった。

 

もう一つ仕事について大事なことがある。

昔のお見合いを引き合いに出して恐縮だが、昔はお見合いが当たり前で、最初は好きかどうかは関係ない世界があったのも事実だ。結婚してから好きになる。私にはこういう経験はないが、そういう時代のご夫婦を見ていると、きっかけなんてどっちでも良いと思う事がある。

 

仕事も一緒で、最初はやりたくないとか、苦手とか、もっと他にやりたいことがあるとか思っていても、必然の中、あるいは、やむなくその仕事を10年もしていると、仕事の奥深さも分かってくる。

また自分の武器としての自信にもなるし、何よりもどんな仕事も世の中に必要であると分かる。仕事を通して社会が分かり人間関係においても学びになる。

こんな風になってきたらしめたもの。

すでにそれは本当の意味での仕事が好きな状態と言える。

 

こんなことを日々考えているので、短絡的に自分が好きな事を仕事にしようと、無責任に子供に教えなくて良いと思う。

人生100年時代、私はいつか一度くらい、本当に自分が好きな事で仕事をしてみたいという願望は今でも持っている。

 

 

以上

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