近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

自己PRのさじ加減は実に難しい

自分のことを、等身大で的確に相手の人に伝えるのは実に難しい。もちろん、人によってその感覚はまちまちである。

 

日本人どうしでも、かなり差が出る部分ではあるが、これが国単位で比べると歴然と差が出る。私が、20年以上前、韓国ビジネスに精を出していた時がある。

簡単に言えば、日本企業と韓国企業の橋渡しだ。特にITや情報セキュリティ関連のベンチャー業は、韓国が先行していた時期がある。私もソウルに何回も足を運んだ。

その時に、痛感したことがある。

 

韓国人の自己主張というか自己PR力は凄いものがあった。分かり易く言えば、100ぐらいのものを200ぐらいにして言う感覚だ。言い方を変えれば、ハッタリと言う部分も含まれるが、やはり、ビジネスでは自己主張がしっかりしている方が、結果は良い。

 

私は、日本人の中では、はっきり言う方だが、それでも100を120ぐらいに言う程度だから、日本人の中では相対的には目立つが、韓国だったらあまりにもおとなしいと思われたと思う。

 

これは、韓国に限らず、日本以外の先進国や伸び盛りの東南アジアの国などは、一様に押し出しは強い。実際、ベトナム人の自社のPRやプレゼンを聞いていると、良い意味でハッタリが沢山あるという実感がある。

 

日本国内の話に戻るが、相対的に国内の基準で比べても。やはり自分のことをPRするのはとても難しい。私は、画家と画商の話をよく引き合いにだす。

私が創業して間がないまだ駆け出しの頃、リクルート出身の人材紹介系の社長が言われたことを今でもずっと明確に覚えている。

 

自分が画家としたら場合、画家は自分の絵を価値通り売るのは難しいですと。

画家には画商が必要です。と教えてくれた。

 

私は仕事柄、他人が書いた絵を、画商として売る支援は良く行っている。だから、言いたいことはよく分かる。先ほど書いたように、外国の人と比べると日本人は謙虚で控え目だ。

島国の中で、2000年以上同質性の中で生活基盤が成立してきたのだから、これは日本人の特性としては、誰もが納得することである。とはいえ、日本の中だけで考えても、自己PRには個人差が相当ある。

 

ある意味、子供の頃から、こういう能力と言うかスキルは歴然とした差がある。例えば、生徒会長に立候補するような人は、子供の頃から自己PR力が突出していると言える。しかし、人間の不思議なところは、大人になっても必ずしもそのままとは限らない点である。

 

昔、生徒会長だった人が、大人の仕事の場ではおとなしくなることはままある。原因の一つは、仕事で実力を伴わない時、評価の基準が生徒会長になる能力とは違うので、せっかくのPR能力が宝の持ち腐れになるからである。

 

一方、働きだしてから自信を持つと、自己PRが抜群に向上する人もいる。だから、一概には言えないが、やはり平均的な人は、自分のことを人にPRするときには等身大以下になることが多い。

 

等身大以上がどこまで日本人として妥当かはなかなか難しい。私は今でも120%か130%ぐらいで良いと思う。何よりも大事なのは、こういうハッタリ力よりも、自分の価値や能力を如何に客観的に見られているか?

 

それと共に、自分たちの実績や構想が他と比べて優位な点や差別化要素を正確に理解できているか?こんな意味でも、第三者にPRを手伝ってもらう方が良いと思う。

 

また、評判や口コミと言うのは、そもそも、画商の世界の話だ。もちろん、反対もある。悪い評判も誰であっても発生する。そういう事も含めて、最低限のスキルアップは必要だが、自己PRというのは画商としての第三者にサポートしてもらうのが良いと思う。

日本人が海外で自己PRするときも同じような心持ちではないだろうか。

 

以上