近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

エッセンシャルワーカーが社会の主役になる時代に向けて

今、コロナ禍の真っただ中、エッセンシャルワーカーが注目されている。

 

私達の生活や日常の活動に欠かせない仕事をする人という意味だ。

 

誰でも思いつくのが、医療関係従事者、介護関係だ。社会インフラ、交通インフラを維持管理する人もそうだ。

コロナ禍をプラスにとる部分も既にいくつかあるが、その一つがこういう仕事に注目が集まったことだ。

 

日頃私たちは、平穏な日々では、気付かないことが多い。全部が裏方仕事な訳ではないが、縁の下の力持ち仕事であったり、私たちが困った時に頼れる人達である。

 

そして、当たり前の話だが、人間が生きていくには絶対に必要な食に関する人達もそうだ。

関連を見ていけば、キリがないが、食の原点の生産を担う農業、漁業の方たちもエッセンシャルワーカーだ。

 

では、逆にそうでない仕事は世の中にあるのだろうか?なくても良い仕事である。

 

立場や専門的な見地から見方は変わるが、私の観点では、本当にこれからの地球に健全な仕事かどうか?地球を破壊することに加担する仕事ではないのか?こういうことを見極めて働く時代が来ていると考える。

 

そういう意味で、私は、エッセンシャルワーカーの定義をもっと拡大して使いたい。

 

例えば、IT化が一般用語化され、遅ればせながら、政府も行政もIT化に向かって一気に舵を切った。実際に、官公庁、自治体の仕事をしているので、その変化の速さは実感する。

 

猫も杓子もDX化一色になった。この結末を予想するのは意外と簡単だ。

 

IT化を推進すると、今までのような人の仕事が減る。これは考えたら誰でも分かる。IT化の第一義の役割は、合理化であり効率化だ。

 

最近は、これをRPAと称して、人間がやっていたオフィスワークをソフトウェアで代替えしようと言う発想だ。一筋縄では進展しないにしても、10年もすれば、ほとんど自動化される。

 

実は、AIではなくRPAの方が、もっとセンセーショナルにもかかわらず、AIが喧伝が先行する世の中だ。

 

簡単に言えば、民間企業は以前からそういう変革の嵐のなかで、働き方の変革を迫られてきたが、今後は公務員の世界もそうなるということである。

 

税収が縮小する中で、行政の縮小化が叫ばれて久しいが、ようやく、縮小に向かうだろう。最大のコストは人件費なのだから当然だ。  

 

大企業はすでに20年近くかけて、IT化と共に合理化を推進してきた。金融機関などが分かりやすい。こういう分野でも人がする仕事はどんどん減っている。

 

社会全体の仕事が減るとなると、確かに社会不安にもなるし、社会問題も頻発しそうに思う。

 

しかし、私たちがコロナ禍で学んでいるように、私たちの社会生活や健全な国の活動に必要な仕事は何なのかを生活者が改めて認識する機会になったと考えれば、災い転じて福となる、可能性は十分にある。

 

今働いている人は、確かに、急な方向転換は難しいだろう。例えば、旅行会社の人が農業をする、運送業に従事する。こういうケースは本人が本気になれば出来る。

 

しかし、いきなり介護や看護の仕事に従事は出来ない。最低限のスキル習得と何よりも国家資格の取得が必要である。だから、国や自治体の支援は不可欠だと思う。

 

いずれにしても、大切なのは、これから社会に出て働く子供たちである。

今までの経済メカニズムの中での働くための予備校のようになっている教育の場を、速やかに変えないといけない。特に就職あっせん機関のような大学のキャリアセンターのあり方は改革が急務だと思う。

 

 

私は、大学生が社会を学び、自分で働く場所や適職を見極める力をつけてほしいと思うが、20歳前後までの日本の今の過ごし方では難しいと思う。

 

だからこそ、今の学生に対しては大学のキャリアセンターの役割は大きいと思う。

 

本当を言えば、中学生の頃に、これからの社会に本当に必要なエッセンシャルワークとは何かを教え、その準備を始めないといけない。

そんな本をまとめようと思う。

 

以上