近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

残念ながらOKYは日本国内にも沢山ある

OKYという言葉をどれだけの人がご存じだろうか?

 

これは、アジア諸国などに駐在する人達の心情を端的に表現した揶揄として広まっている。

O(お前)、K(来て)、Y(やってみろ)の略語だが、ここまで書くとある程度察しはつくと思うが、実際は、そういう立場でないと本当のところは分からない。

 

私は、中小企業の創業者という立場で、新興国に乗り込んでいるので、こういう感覚はない。

 

アジアなどに赴任する駐在の方の心情を大まかに書いてみる。

一般的に新興国へ赴任するケースは2通りだ。

一つはメーカーが現地に工場を作る場合。

もう一つは新市場を求めてマーケット開拓を行う場合。

 

どちらも、それぞれの難しさはあるが、やはり、後者が難題が多くなる。

前者の場合も、難しいところは沢山あるが、ただ、大小問わず、平均的には工場長として赴任して数百人から数千人のワーカーをマネジメントすることが主たる役割になる。

 

後者の場合は、部下は少ないが、ベトナムの生活そのものの中に、どっぷりつかって活動することになり、そこには日本的なことはほぼ期待できない。

 

例えば、20年前の大企業のベトナムの駐在員の立場で考えてみる。今でこそ、ベトナムのことは大企業の経営者の視界には入っているが、当時は、海のものとも山のものとも分からなかった。

 

新規市場を求めて、ホーチミンに赴任する。

日本の企業というのは、規模か大きくなればなるほど安定志向である。実際に新興国で活動を始めるのには、近隣の韓国や台湾に比べてとても時間がかかる。

一方で、ひとたび活動を始めたら、本社は現地に対して無知なので、早く結果だけを要求する。

日本の本社経験しかない上層部からしたら、駐在させているのだから、すぐにことが進むと考えるのである。日本は総じて先進国目線でベトナムなどの新興国を見てきた。

駐在員にしても、赴任するまではそういう人が多いはずだ。

 

ところが、現地の実態は駐在員にとっては想定外ばかり。現地に馴染めば馴染むほど、本社とはギャップが拡がっていく・・。

日本人仲間の飲み会で、OKYが連発されたとして不思議ではない。

 

ちなみに、私のような立場だとOKYで悩むことはまずない。自分の意志でやっているのだから。だけれども、いちいち、新興国での活動を日本のステークホルダーに伝える事は困難である。そういう意味では、OKYと言いたくなる気持ちが分かったりする。

 

話は変わるが、今、日本国内でもOKYというのは頻発しているのではと危惧する。

言うまでもなくコロナ禍で全国民がストレスの高い状態と言っても過言ではない。

 

以前のブログでも書いたことがあるが、エッセンシャルワーク(社会生活に絶対必要な仕事)

に従事する方々は、OKYを叫んでいるのではないだろうかと勝手に想像する。

それだけ、日本国内だけ見ても、ギャップが生じていると思う。今の日本人は、自分の立場だけ考えて、自分都合で、何か良くないことが発生すると、人のせいにする人が増えた。

 

見えないところで、純粋に真摯に活動している人がいるから私達が平和な社会生活が送れている。今回のことで言えば、医療関係者は言うまでもなく、運送業に関わる人、衛生関係のメンテナンスをする人、介護施設を運営する人。挙げだしたらきりがないぐらい、コロナ過でも困難だけれども不可欠な仕事を継続していただいている。

 

相手のことを慮る。おかげさまでという考え方を持つ。日本というのはかつては、そういう国だったはずである。

 

最近、私は、あるセミナーの準備をしていて、OJYがひらめいた。

ネットで見たところ、まだ、一般的ではない。だからといって、私の語録とも思わないが、OJYは、O(お前が)、J(自分で)、Y(やってみろ)の意味である。

 

 

日本には、ここまで書いたように、相手の立場や事情も知ろうともせず、知っても理解できない、自分は高見の見物感覚の人が増えている。

 

だからこそ、自分でやってみたらどうですか。

私も実は毎日のように思っている。

それは、日本の子供たちに必要なことがOJYではなかろうかと思っている。

自立していない、自分でやったことがないから、人の非難に意識が働くのではと思っている。せめてこれからの子供達にはOJYを伝えていきたいと思う。

 

以上