近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

元に戻ってほしくないこと、元に戻ってほしいこと

変化の時代と一言でいっても、世の中や人や日常の事はそんなに急には変わらないものである。

 

惰性と言うか、慣性の法則と言うか、人間の営みは急には方向転換はなかなかできない。

そろそろ、コロナ禍が世界に蔓延して1年が過ぎる。

 

最近私の周りでは、

“元に戻ってほしくないよね”という会話が増えてきた。

 

もちろん、感染症対策は別だ。

今の医療機関の従事者や様々なところで対策に懸命に取り組んでおられる方々がいる。そして、私たちも、一人一人の自覚と責任において、感染症対策には真摯に取り組んでいる。

少なくとも、私の周辺の方々は皆一様に真面目に向きあっている。

感染症が収まって、以前の生活に戻ってほしいというのは誰しも願うところである。

 

1日も早く、のびのびと公園で寝っ転がりたいし、普通にスポーツもしたい。以前通り、たまにはゴルフもしてお酒も飲みたい。

そういう意味では早く元に戻って欲しいと思う。

 

一方、元に戻ってほしくないことも沢山ある。

一つは、働き方である。イコールこれは、会社経営のあり方とも言える。

ワーケーションに代表される。

ITが浸透しつつあるこんな便利な社会でも、都心のオフィスに通勤し、夜遅くまで働く。これが日本は当たり前だった。

 

コロナ禍は一つのきっかけに過ぎないわけで、ようやく日本も自由度の高い、自己責任を重視した働き方ができる機会が出来たと思う。特に、時間さえ過ごせば報酬がもらえる時代は過去のものにして、努力する人が正当に報われる社会にするべきだと思う。

 

生き方を考える人が増えたのも大きな変化で、これも元には戻ってほしくないことのひとつだ。

その根底には、人間らしさを改めて見つめなおしたり、感染症は人類の歴史上何度も繰り返されているという事を再認識したりすることで、人類の歩みに想いを馳せる人もいる。

 

また、自然の存在と大切さにも気づくであろう。今まで便利だけを追っかけてきて、その結果、抜け出せそうにない袋小路に入っていたのが現代の日本だったと思う。

 

生活の仕方が変わる。求められるビジネスやサービスが変わる。世界がさらにつながる。様々なものが見える化されていく。健全なデジタル化であれば大歓迎だ。

 

日本は大きな転換期となり、変革も連続的に生まれるだろう。

そういう意味では、戻ってほしくないと強く願う人たちの言動が、すでに大きな変化を加速させているのは間違いないと思う。

すでに、コロナ禍以前の延長線上にはないのである。

 

あと最後に、個人的には元に戻りたくないものが幾つかある。

特に、私の場合、色々と学習する時間が劇的に増えた。

コロナ禍以前のやり方が、必ずしも悪かったという事ではない。それなりに充実していた。

一方で、今から振り返るとやはり目先の事に終始しがちだったと思う。

 

こういう思わぬ踊り場に遭遇して、時間の使い方を色々と変えてみた。

もちろん、変わらずを得なかった部分もあるが、結構、意図的に変えてみたことも多い。

 

何かを知りたい、何かを身に付けたいという気持ちはずっと持ち続けているが、実際は、今までの仕事のやり方では、なかなか、そういう時間を捻出するのは困難だった。

 

この1年で、とても良いリズムが身についた。このブログにしても、こういう状態だからこそ、続けてこられた。今までの仕事のやり方では到底できなかったことだ。

この良い習慣は元に戻りたくないことの一つである。

 

私の友人・知人も何か新しいことにチャレンジを始めた人が多い。

多くの人が、今までと時間の使い方が変わった。

例えば、経営者の時間の使い方が変わると大きな良い影響が出てくると思う。

 

経営はアートということも大切だと思うが、言うだけでなくアートを実践してみることも良いことだ。また、SDGsが大ブームになってきた今だからこそ、現実的に地球にとって健全なビジネスとは何かを考えることもできる。

 

夜の会食の時間を、社交の時間に変え、新しい交流に変える。様々な人の色々なこういう変化がつながっている期待感が充満している。

とても楽しみな時期である。

 

以上