近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

信用残高と人間関係

信用残高、と言う言葉を聞いたことがあるだろうか?必ずしもビジネス界だけとは限らず、人間関係の中で、使われることが多い。

まずは、シンプルに説明すると、銀行の貯金のようなものだ。貯金の場合だと、特殊な契約を除いては、流石に、残高がマイナスになることはない。だから、少なくとも常に残高がある。

一方、これを人間関係で考えると、マイナスになることもあるという訳だ。

 

一般的に、人と人が接点を持ち、お互いに信用を積み上げていく。もちろん、背景には馬が合うとか、利害が一致するとか、何らかで関係性が良くなる下地と言うのがあって、少しずつ、お互いの信頼関係を気付いていく。

 

狭い話ではあるが、営業活動で考えるとすぐに理解はできる。営業で結果を出すには、何回か面会を重ねて、自分が顧客の候補に信用してもらわないといけない。初対面から、商品を販売できる営業のつわものも世の中には存在するが、一般的にはそれは超例外。まずは人間関係の構築になる。

 

だから、商品や会社の事を詳細に説明するよりも何よりも、自分をしっかりと相手に売り込んで信用してもらう必要がある。そのようなことを根気よく繰り返していくと、信用残高が高まってくる。こうやって信用残高を高めるだけの話であれば、本当に単純に誰でも分かる。本来の信用残高の考え方は、実はもっと奥が深い。

 

プライベートで親友同士であった場合の付き合いと、まだ、知り合ってそれほどの時間が経っていない友人がいたとして、どっちに気を使い、色々と相手の事を考えて、コミュニケーションするだろうか?

やはり、後者だろう。

正直、親友であれば、気心知れているし、いちいち、気を使う必要もない。長年の信用残高があるからだ。もちろん、わざと気分を害するようなことをすれば別だが、仮に待ち合わせの時間に、たまたま遅れたとして、それが大きな問題にはならない。

いつもは、約束をしっかり守るというのがお互いの認識にあれば、きっと、アクシデントがあったと思ってもらえるだろう。

 

ところが、付き合いが短かったり浅かったりすると、そもそも、時間にきっちりしているのか、いい加減なのかさえもすぐには判別できない。こんなことは人間関係の中では、他には色々とある。

 

信用残高がお互いに積みあがっている状態で、手抜きをすると言う意味ではなく、気楽に良好な関係が築けると言う事だ。また、仮に、何かのトラブルがお互いに発生したとしても、信用残高があれば、残高が少しぐらい減ったところで、長年の蓄積がある。

人間関係は、実に多様で、人の数だけ関係性が生まれるが、シンプルに考えると、信用残高をどれだけ増やすかがとても重要なのである。これは、ビジネスだけの話ではなく、私生活でも似たようなものだ。

いちいち、一人ずつの相手と信用残高の多さを確認するものではなく、あくまでも感覚的なものであるが、信用残高が高い人との付き合いが多いと、いざという時の力にもなってもらえる。

庶民の貯金と同じようにコツコツと少しずつ、残高を増やしていくことがとても大切なのである。

 

以上