近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

仕事で人に聞く事のさじ加減の難しさ

仕事はシンプルに考える。

どんな複雑で難解でも、仕事を分解してシンプルに考えて取り組むと、基本の重ね合わせ、組み合わせであることが分かる。

 

そういう意味で、ここは押さえたいと言う仕事の基本スキルが幾つかあるが、今回は、人に聞くスキルを取り上げようと思う。

仕事は、極端に言えば、自分でするか、人に頼るかである。誤解を招くといけないので、もう少し詳しく書くと、プロジェクトや組織で仕事する場合は、人に頼ると言うのは前提になる。チームのメンバーがお互いに補完し合って協力し合って成果を出すという意味では、人に頼ることなしに仕事はできない。

 

私が今から書きたいことは、この部分ではない。仕事というのは、自分で考えて調べて、そして知識を身に着けたり知恵を醸成したりすることが重要である。プロ意識が高い人や向上心の強い人は、皆そうだと思うが、できるだけ自力で独力で結果をだそうとする。私は、この姿勢や取り組みはとても大事な事だと思っている。学校の勉強で言えば、独学だ。

 

一方で、プロジェクトチームや組織には、仮に自分がそのトップのポジションで経験が一番だったとしても、チームや組織で結果を出すためには、それぞれのメンバーの役割と責任がある前提で、チームや組織の関わる全員の力を結集することが大事だ。

そうすると、ここに微妙なジレンマが生まれる。例えば、ある突出した力量の人がチームや組織に一人いて、当該仕事に関しては、その人に相談すれば、聞けば、たいていのことが解決するとする。チームや組織のメンバーにとって、安易な選択は、その人に何でもかんでも頼ることである。

 

ただ、これでは一過性の成果は出るが、いつまでも、その突出した人に依存することになる。少なからず、自立を目指している人は、人に聞いたら分かる事でも自力でできるところまでしようとする。ところが、こういう自立型の人の陥る傾向があり、ついつい、のめり込み過ぎて、迷走し時間を浪費してしまうという失敗をしてしまう。

 

要するに、自分がトコトコンやり切りたい気持ちと、人に頼るべきところのさじ加減を間違う。

往々にして、良くある話が、どうして、もっと早く相談しくれなかったのか?もっとタイムリーに聞いてもらえれば良かった、確認をもっと早くしていればこんな悪い方向にはいかなかったということは沢山ある。

 

実際に、私の仕事周りでも日常に起こっている。

人は色々なタイプがある。そういう人が混ざるのがチームや組織の宿命でもある。

仮に自分がチームや組織のトップでとりまとめをする役割であれば、自立型で仕事ができる人は、任せていれば大丈夫なのであるが、どこかで客観的にバランスを見ておかないと、思わぬ落とし穴にはまる。責任感が強くてもそういう傾向に陥る人もいる。

 

一方で、依存型の人は、何でもかんでも人に頼ろうとするので、いつまでたっても、その世界からは抜けきれない。ただ、マネジメントの常なる課題なのは、その間の層である。

言われた通りにはするが、それ以上しない。自分でもう少し、踏ん張ればよいのだが、その突き抜け感がない。とことんまでやり抜かないから、本当の意味での自立する力が身に着くまで至らない。あと少しなんだが、いつも壁がある。こんな人は沢山いる。

 

まずは、自分でする事。そして、自分の力量で許される範囲をしっかり把握しておいて、タイムリミットが来たら、頼るべき人に頼る。こんなさじ加減を身に着けてほしいものである。

 

以上