近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

人にお世話になる人、人のお世話をする人

人間同士の良好な関係と言うのは、理想的に言えば、持ちつ持たれつになるのが、丁度よいように思っている。一時期だけ見れば、一方的に相手の人にお世話になるかもしれないが、長い人生、どこかで、お互いさまになることが良い。

 

とは言え、現実はそうではない。

人間関係は複雑である。例えば、AさんがBさんの何らかのお世話をしている。そのBさんは、Cさんのお世話をしている。そしてそれが巡り巡って、Dさん、Eさんとつながっていき、そのEさんがAさんのお世話をしているということもありえなくはない。

もちろん、世の中こんなシンプルな人間関係ではないので、こんな見事に循環している訳ではない。いろんな意味での不公平感は人間関係にはつきまとう。自分が属している社会全体が、常に理想的に調和がとれていれば、お互いに持ちつ持たれつの関係性が一番良いように思う。

 

世の中が複雑になってきて、つながりが世界中に拡がると、通常の生活範囲では、この持ちつ持たれつ感は薄れていく。私たちの生活に必要な商品は、遠い遠い国の若い労働する人達の生産によって成り立っていることも多い時代。

私たちは、そういう意味での生産者に対する感謝の気持ちが薄れている。国内だけ見ても、都会の子供たちは、田舎と接点がなければ、スーパーに陳列されている野菜や果物しか知らない。農家の人が汗水たらして、育たてくれたから私たちが、都会のスーパーで買えるという実感はない。

 

話は変わるが、世の中には、お世話好きな人がいる。生まれた時からの性分かもしれないが、何かにつけて、人の事を気にかけて、何かと世話を焼くタイプだ。お世話が好きな人は、自然と、お世話されがちな人との接点が深くなる。

こういう世界では、自然と、持ちつ持たれつになっていると言っても不自然さはない。

 

そして、気付いてみたら、お世話するのが生きがいのように活動する人が世の中には結構いる。社会活動に力を入れる人はそうだと思う。では、お世話好きの人とお世話好きの人が集まったらどうなるのだろうか?相対的な関係で考えると、やはり、この集団においてもお世話する人とお世話される人に分かれていくのだろうか?

 

そういう私は、正直、お世話されるのが好きではない。この辺りが、自分でいうのもなんだが、変わり者と言われる本質だと私は思っている。世間では、お世話するタイプのように思われることも多いし、そういうのは嫌いではないが、私の本質は、お世話されるのがあまり好きではない。

 

とは言いながら、今までの人生では、結果的に沢山の他人にお世話になって来たと言う実感はある。だから、自分がどいうタイプでも、人生とはお世話したりお世話されたりのバランスがほどよい状態になって行くようにも思う。

 

知り合いの中でも、本当に病院や介護施設での人のケアという大変な仕事を生きがいとしている人も少なからずいる。こういう人たちは、根っからのお世話好きとしての天職に巡り合っていると私は考えている。

まあ、人のお世話をすると言うことに対しては、自分がちゃんと自立して健全でなければなかなか出来るものではない。残りの人生何年あるか分からないが、人のお世話をする、人にお世話になる。こんな感覚を深堀していこうと思っている日々である。

 

 

以上