近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

新入社員に報告の重要性を教えるとしたら・・・

仕事において、報告するスキルほど重要なものはない。

私は、報告を受ける側でもあるが、報告をする側でもある。

立場によって、報告するのが主たる役割の人も多いが、報告をするスキルというのは極めて重要である。報告ができない人、苦手な人は、組織やチームでの仕事には向かない。

中途社員が新しく入社した時、初めて業務する外部の委託先など、報告のスキルで仕事力を判断できると言っても過言ではない。

 

この報告は、口頭と言う事もあるが、やはり重要なのは、文章である。少し本格的になると、報告書という形式になるが、日常の報告はそういう形式よりも、いかにタイムリーに要点をしかるべき人に伝えられるかという事が大切である。

 

報告と言えば、報連相を知っている人も多いと思う。報告、連絡、相談が仕事の基本であることは間違いないが、私は報告は別格であると考えている。連絡や相談は、それほど奥が深くなく、行為としてすることは簡単だ。

ところが、報告は実に奥が深い。

 

簡単に言えば、報告する相手がいて、その人が、理解しないといけない。その人と言うのは、組織上の責任者や仕事の重要な役割の人が多く、たいていは忙しい。当然、仕事力は高い。そう考えると、相手は、手短に要点だけを知りたいのだと想定される。

だから、言いたいことが分からない、だらだら長い、結論が最後に出てくる、こんな報告は悪い報告となる。

 

新入社員であれば、日報を書くケースが多い。いつまで日報を書くかは、会社のやり方次第であるが、仮にキャリアを積んで、日報を書かなくなったとして、この習慣は、ビジネスの基礎スキルとしてキープしたい。

なぜなら、自分が1日で行った事、成果、問題点、改善点など、日々、仕事の終わりにレビューして、記録に残すことはとても大切だからである。

 

私も、新人の頃は、日報を書いたことがある。20代半ばで、プログラマーとして、お客様先に常駐した時も、日報を書いた。正直、その頃はその重要性や必要性はあまり分からなかったが、自分が、組織を運営するようになり、社員の業務を把握するためには、日報は欠かせないと思い、私の会社運営でも当たり前に行っている。

 

報告にはプロジェクトの報告、トラブル報告、商談の報告、月次の報告など、実にさまざま存在する。内容も、書き方は色々ある。文章表現、語彙などの文章力と言うのも重要で、これは、良い報告、すぐれたビジネス文章を見て真似るのが一番良い。

シンプルに言えば、箇条書きで、文章が短く、論理が明確であることが大切だ。何よりも、重要なのは、誰が読む、誰に対する報告なのかを、頭にしっかり入れて、対話するつもりで、書く事である。

とにかく、長い報告はご法度であるが、トラブル報告のような詳細に経緯や原因を書かないといけないときは、要約版と詳細に分ける。要約版は、速報レベルで、事の重大さを伝える。報告を受ける側は、まずは、その判断をしたい。だから、文章に限らず、口頭であっても、結論から先に言いなさいと言われるのである。

 

悪い話の結論を先に書かずに、経緯からダラダラ説明する人がいるが、これは論外。

言い訳したい人と思われるだけの事である。仕事の報告とは、トラブル関係であれば、報告する相手に、事の重大さ、深刻さを真っ先に伝えないといけない。これは日常生活で考えても分かる事である。

 

新入社員の皆さんに、くれぐれも言いたいことは、どんな会社でも、できる上司ばかりではないということ。だから、お手本になるような人を見つける、そういう人がいなかった場合、反面教師とする。これができていれば、どんな環境でも仕事スキルは磨くことができる。

 

 

以上