近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

事業計画をどう考えるか?

仕事で何らかの計画書を書いたことがある人は、働く人の中でどれぐらいいるだろうか?

 

真っ先に頭に浮かぶのが、プロジェクトの計画だろうか。計画には、他にも色々ある。忘年会をするにしても何らかの計画は必要だし、社員旅行などもそうだ。簡単なものまで考えると、計画があって実行と言うのが仕事や活動の基本である。

 

プロジェクトの計画書はとても大事で、QCD(品質・コスト・納期)のバランスをとることが要求されるので、難易度は高い。理想的な仕事は、計画通りという事になる。

もちろん、良い想定外があっても良い。それは、利益が増えることである。進行中の創意工夫や努力によって、利益要素を新たに生み出す。これは、優秀なプロジェクトリーダーの力量にかかっている。こういう計画書は、厳密に実行されて意味がある。

 

では、今回の本題であるが、会社の経営に関する計画書はどうだろうか?

そもそも、この類になると、作成したことがある人は、経営に直接関わる人及びその周辺のスタッフということになるだろう。事業計画書や経営計画書の代行業と言うのも世の中では当り前にあるが、こちらの場合は、作成する人は実行には関わらないので、今回の話の外に置いておく。

 

私が思うに、上場会社の一部か、よっぽど堅実経営で変化のない企業運営以外の会社は、計画書通り結果を出している企業は少ないと思う。

 

経営計画や事業計画はとても重要で、必ず作るべきものである。流石に、創業して間無であればよいが、会社を何年も運営して、計画無くして活動するという事はあり得ない。

 

だからと言って、計画通りに結果を出している会社がどれだけあるだろうか。

上場企業にしても、業績の修正は日常茶飯事だ。ただ、許容される目安と言うのはあり、売上計画だと10%、営業利益計画だと、30%。この基準を考えると、計画通りが如何に難しいかが分かる。

大中小の起業のサイズ問わず、経営環境の変化が一番、経営の結果に影響するだろう。計画には1年、中期長期とあるが、今は、1年間の経営環境の変化を予想するのは業種にもよるが、とても難しい。

気候変動もあるだろうし、紛争もある。今であれば、コロナ禍は誰にとっても発生した時は想定外だった。SWOT分析で言えば、OT、つまり、機会と脅威の部分でこれが外部要因にあたる。

計画の実行には、内部要因も大きなウェイトになる。さっきのプロジェクト計画もこの範囲に入ってくるが、業績に影響するようなインパクトのあるプロジェクトが失敗すると、ダイレクトに業績に影響する。

 

営業活動も水物だ。新商品が必ずしも売れるとは限らない。また、計画の実行に大きな影響をするのが、社員のスキルアップだ。現状の社員が、スキルは現状維持で、1年を乗り切るという計画は誰も書かない。

少なくとも3年間の中期で考えた場合、たいていの会社は、先行投資して社員教育を実施したり、成長を促す機会を創出したりする。

 

特に新入社員だと分かり易い。また、即戦力を期待しての中途採用も水物である。プロ野球などを見ていても、それは分かる。まあ、簡単には計画通りにできないのが、経営の難しいところであるが、だからと言って経営の計画は必須である。

 

ここで忘れてはいけないのが、攻めの計画でなければ、会社は成長できない。攻めと守りのバランスを如何にとるかである。会社の計画と個人の計画は意味がかなり違うが、何よりも大事なことは、成長のためには、失敗を恐れないことである。

 

ただ、流石に経営の計画などに、リスク要素としては書けても、失敗計画と言うのはない。このあたりを、どう評価できるか。これからの経営陣に限らず、外部のパートナーなども含めての、企業経営に関係する人達の課題だと考える。

 

 

以上