近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

あるものを使う、ないものはできるのを待つ時代

ITの世界ぐらい新商品やサービスが次々と登場する業界は他にないだろう。

もともと、ソフトウェアは目に見えないものである。だから、世の中に氾濫していても、実態がつかみにくい。

もちろん、他の業界も新商品が次々と登場する。明らかに日本は、モノ余り状態の時代にあり、無駄な消費を誘発しながら、新商品が発売されて、短期間で消えていく。

20年、30年の定番のお菓子などもいまだに存在するが、ほとんどの商品は、新商品が次々と生まれては消えていく。浪費の塊の経済メカニズムの象徴である。

 

ITというのは、今や企業経営においては、不可欠なものである。だから、業務管理や営業活動の管理など、様々な企業活動の中でIT活用が進みつつある。工場であれば生産管理、建築現場であれば工事現場の管理や工程管理、原価管理とITがないと非効率極まりない業務が沢山ある。

 

例えば、30年ほど前、日本にもパソコンで動くソフトウェアパッケージが登場した。この頃から少しずつ、ソウトウェアは買って使うというスタイルが定着を始めた。それまでは、自社の業務に合わせて、ソフトウェアをオリジナルに作るのが主流だった。

 

 

 

 

あれから月日は流れ、ソフトウェアパッケージの販売も相変わらずIT業界のメインの商売ではあるが、今は、クラウドサービスが全盛になった。

つまり、これは、ソフトウェアを購入するのではなく、インターネット経由で借りて使う仕組みである。

ソフトウェアよりも安いかと言えば、必ずしもそうではない。クラウドサービスは毎月課金で、使用する人数と、利用期間が長くなると、それに応じて料金が増えていくのが一般的だ。

それでも、今どきは標準的な業務においては、数あるクラウドサービスから自社に適したのを選定し、お試しの利用から始めるのが、懸命なやり方だと私は思う。

ただ、よくやってしまう失敗だが、スマホアプリの様に、使っていないけど毎月課金されているような状態を生み出してしまうリスクがある。

毎月払いと言うのは、ついつい、忘れてしまうものである。

 

これからは、ユーザー企業にとって、このソフトウェアは、もっとダイナミズムな利用ができるようになる。世の中には、優れもの機能のソフトウェアが次々と登場している。仮にまだクラウドサービス化されていないパッケージであっても、ユーザー企業で洗練されたソフトウェアには大いに期待ができる。

 

今までは、ユーザー企業と言えば、IT会社に業委託するのが一般的だったが、これからは、ユーザー企業が育ててきた自社用のソフトウェアが同業他社などに販売できる時代だ。

実際にこういうソフトウェアは増えてきている。ますます、ユーザーは、あるものを使えるようになっていく。

では、どこを探しても欲しいソフトウェアが無かったらどうするのか?一昔前だったら投資をして自社開発しようか、ということになっていた。

今は、私の推奨する懸命なやり方は、世の中に欲しいサービスが登場するのを持つことである。

 

最近のIT業界の進化スピードを考えると、ソフトウェアサービスは、ノーコード、ローコード時代を迎え、ますます、ユーザー企業が、簡易にソフトウェアを作る時代なのである。焦らず、お目当てのサービスが登場するのを待つ。

こんな心構えが、これからの企業におけるIT活用の秘訣であると考える。

 

以上