近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

新入社員にヒューマンエラーを教えるなら・・・

私は、仕事はヒューマンエラーとの永遠の闘いかもと思っている。

仕事でミスをしない人は世の中にいない。

そもそも、日常生活を含めて、ミスをしない人はいない。ミスとはトラブルや失敗の事である。

 

“私、失敗しないので”。あの有名な医療ドラマ、ドクターX、大門先生のセリフだが、実際にそんな医者もいないし、そんな人間もいない。ドラマだからウケる。

仕事の質の向上やスキルアップを考えたり、職場の業務改善や効率化を図る時に、定番で登場したりするのが、ヒューマンエラーである。文字通り、人間が引き起こすエラーである。

 

 

これは、機械化デジタル化が進展する社会の中で考えると、比較的分かり易い。有名な事例としては、飛行機や医療がある。飛行機事故がなぜ起こるのか?もちろん、最新技術の塊の飛行機。仮に自動操縦していて事故が起こった場合は、ヒューマンエラーとは言わない。着陸時、パイロットが人為的な操縦をする際には、ヒューマンエラーが起こる事がある。

 

簡単に言えば、人間はどんな人でもミスをする可能性があるということだ。一方で、機械やデジタル機器は、故障と言う可能性はあるが、基本的に毎回一定の動作や処理ができる。これが人間とは違うところである。

言い方を変えれば、人間は常に不安定で、継続的な同じ行動や動作をして、同じ結果を出せるとは限らないのである。

 

私は、昔から仕事の現場で、性弱説を基本に、企業の組織改善やマネジメント力、クレーム対応力向上などのお手伝いをしてきた。性善説でも性悪説でもない、性弱説である。人間の弱点に注目することによって、対処が見えてくるし、心理的な安心感が増す。

つまり、人間は基本的に怠け者で、常にきっちりと毎回ブレずに同じ仕事ができている訳ではない。また、凄い上司を見て、完璧に見えても、ミスをしない人はない。

私は特に、キャリアの浅い部下に対して、上司をどう見ればよいかということに関して、上司と言うのは、人間だからミスもしているが、ミスの数が一番少ない人と考えましょうとアドバイスしてきた。

 

これから社会で働く人に、このヒューマンエラーを伝えるとしたら、どれだけ一生懸命真面目にちゃんとしていても、ミスをしてしまうのが人間。まずは、そのことを一生忘れない事。

 

だからと言って、開き直るのではなく、一つでもヒューマンエラーを減らすための考え方や対策を身につける事。そして、それを自分で実践できるようになり、人にも求めていくこと。こんな感じで教える。

ミスをしてはいけないとう過度なプレッシャーもまた、ミスを生む。これは人間が心理的に大きな影響を受けやすいと考えれば、誰でも理解できる。適度な緊張感は必要だが、過度なプレッシャーは排除しないといけない。

そのためにも、ヒューマンエラーの種類や内容、原因などを体系的に学んでおいて、実践の場で体感する。人間は、どうしても自分が経験しないと、痛い目に合わないと分からない動物である。

 

だからと言って、痛い目に合ったからと言って、それを次に活かせるかどうかは、個人差がとても大きい。その人それぞれの個人差もヒューマンエラーの原因だ。体調もそう。様々な要因でヒューマンエラーは起こる。書き出したら止まらないぐらい長くなってしまうが、基本中の基本の対策の一つを書いて、今回は終わりにしようと思う。

 

それは、ヒューマンエラーを減らすための絶対に必要な事。第三者チェックである。ダブルチッェクと言い換えても良いが、とにかく、自分が仕上げた仕事、例えば、ワープロ文章1枚でも、第三者にチェックしてもらう。これは一生続けないといけないことである。

 

以上