近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

IT活用のペースメーキングを続ける意味

今のように、IT活用やIT社会への適応が企業経営にとって不可欠な時代が来ると、30年ほど前に、誰が予想しただろうか?

 

私は、たまたま縁があって、IT業界やITに関連する仕事に関わって、もうすぐ40年近くになる。20代の頃、つまり30年ぐらい前、ITという呼び名はなく、ビジネス界での主流は、OA化だった。オフィスオートメーションの略だから、とても分かり易いと思う。今は死語に近い。

 

この当時は、パソコンが世の中に登場して、ビジネスパーソンだけではなく、一般の生活者にも馴染みになってきた。当時の用途は限られていた。ワープロ代わりに使ったり、表計算ソフトを使って一覧表や集計表を電子化したりするだけでもメリットは沢山あった。

その後の変化の詳細は割愛するが、大まかに書くと、インターネットが登場し、スマホで殆どの事が、ビジネスでも生活でもができるようになった。買い物もスマホで頼めば、希望の時間に自宅に届く。しかも、今、自分の商品が配達プロセスのどこにあるかが分かる。

そして、コロナ禍で一気に生活者にも広がったが、オンラインの活用のメリット、デメリットも体験しつつある。ネットワークの通信速度も劇的に早くなっている。30年前は、専用回線を使って、高額なコストを支払って初めて通信が可能だったが、今の感覚は無料に近い。

この先考えたら、この加速度的な変化の先を見通すことは難しい。

 

一昔前、企業の寿命説30年というのが主流だった。当時は、今ほど企業経営を取り巻く経営環境は、不安定で見通しが立たないものではなかった。少なくとも増大する内需をベースに、先の見通しが立てやすい時代だった。

 

変化の時代と言われて久しいが、IT業界に40年近く身を置きながら思う事は、ITほど変化が激しいものは他にないと思う。

大袈裟ではなく、あらゆる産業がIT無くしては成り立たない方向に向かっている。普通に生活するにしても、全くITに関わらないで過ごせるかと言うと、なかなか困難だ。

少なくともすでにITを意識せずとも、身近にある家電製品一つでも、コンピュータが内蔵されている。専門家ならいざ知らず、一般の人がそういうことを知らなくても全く不思議ではない。

 

こんな背景の中、今の経営者はIT活用に関して的確な判断ができているだろうか?

判断するためには、現状把握ができないといけないが、正直、日増しに難しくなっていると痛感する。一応、ITの世界に身を置いてきた私ですら、正直、日々のITに関する情報を更新するのは骨が折れる。

 

一方で、世の中は、DXブーム一色だ。ある意味、バズワード化している感も否めない。シンプルにこの数十年の経営環境の変化で捉えるなら、それはITをどう活用するかの視点が大事だ。

一つは、日常の企業経営の円滑かつ効率的な運用には、ITはまだまだ、活用の余地はある。最近では、その最たるものは、RPAである。

 

また、企業にとっては、いつになっても、新規事業の創造は常なる命題である。今どき、ITを活用しない新規事業など存在するのだろうか?

少なくとも、社会全体のIT化や生活者のIT活用はどんどん進む。こういう社会の変化の中で、何かビジネスモデルを創造するとしたら、必然的にIT活用は前提になる。

経営判断が難しくなるはずである。

 

当社は、創業以来、企業支援の軸足を中小企業のサポートにおいてきた。中小企業と言えば、総じてアナログ的な世界だ。

私たちの生活に欠かせないエッセンシャルワークを担っている企業も多い。今のDXブームは、こういう世界の仕事を置き去りにしているように感じる。

IT活用は目的でなく、今でも手段である。IT化をすれば事が上手くいくのではない。

 

特に、中小企業が今のIT環境の変化についていくには、無理がある。日々の変化に振り回されることなく、例えば、5年後、10年後の着地点を見据えての、現実的なIT活用の推進と実行が必要である。

そんな経営者のIT活用の羅針盤として、近々、この電子マガジンを発刊する考えである。

 

 

以上