近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

棚から牡丹餅が身に染みる日々

私も、人生を振り返る時が時々ある。

還暦前のそれなりの年齢になって来たこともあるが、昔から、人との出会いによって、人生で影響を受けてきたことが山のようにあり、時々振り返ってみると、本当に偶然だと思うし、奇跡と思う事もある。

 

もちろん、全ての出会いが良い方向に進んでいると言う事もない。新たな出会いの結果、大きな失敗にいたることもあるし、迷路にハマってしまう事もある。だからといって、その相手との出会いだけが原因であるはずもないし、少し深く掘り下げたらわかる事なのだが、出会いと言うのは、数珠つながりになっているようである。

 

つまり、仮に、Aさんと偶然のような、奇跡的な出会いがあって、自分の人生にとても大きな影響があっとして、実は、Aさんとの出会いにつながる、Bさんとの出会いがあったり、Cさんのアドバイスや誘いの結果、交流会に出た。その結果、Aさんと出会ったりということも多々ある。

 

また、今どきであれば、SNSを何気なく見ていて、気になる人が偶然見つかり、連絡を取ってみた。こんな出会いもある。

今は特別、出会いのためのきっかけになる手段が多くなったように思うが、そもそも、人間が人に出会う数は、ある程度の限界があるだろう。

あの有名なダイバーによると、150人ぐらいの付き合いが人間の限界だとする説がある。私も感覚的には、どんな立場、どんな仕事をしていても、それぐらいではと思っている。

 

だから、出会うための情報は山のようにある時代ではあるが、結果、付き合う人は限られていると言うことになる。

私が創業時にお世話になった、メンターの方がおっしゃっていたことは今でも私の行動原則の一つになっている。

 

それは、棚から牡丹餅の話である。

一般的には幸運の話だ。たまたま、棚の下にいたら、想定外に牡丹餅が落ちてきて、それを得ることができた。もちろん、それを食する話だと思うが、こういう話を聞くと、なんとなく運不運の話になりがちである。

私のメンターの方は、関西の名士と言われる創業経営者だった。ある時、経営の相談をして頂いた時のこと。

近藤さん、棚から牡丹餅というけれど・・・。棚の下にいかないと、牡丹餅が落ちてきたとしても得ることはできないですよ。とおっしゃった。

 

すぐにはピンとは来なかったが、その日以来、それまでの自分の周りで起こったことを、よくよく振り返ってみると、結構、運がよかったと思える事が起こった、きっかけやそれにつながる人との出会いと言うのは、自分から能動的にアクションしていたり、何か積極的な活動をしていたりする結果だと気づくようになった。

 

単なる偶然ではない。かといって運命でもない。自分が勇気をもって積極的に一歩踏み出してみる、連絡を取ってみる。そんな能動的な行動が良い出会いにつながるという感覚的なものが身についた。

もちろん、今でも、能動的に動き過ぎて失敗することもある。しかし、当たり前の話だが、失敗しない人はいない。世の中には不可抗力的な不運に遭遇することもある。

 

そんな時でも、外部環境や人のせいにするのではなく、自分の行動や振る舞いの結果が今にあると思えば、また、次の棚から牡丹餅を積極的にさがしにいこうという気分になったりするものである。

それの根底には、やはり、一期一会を大切にする、袖振り合うも多生の縁、こんなことに行きつくのだろうと思う。

 

以上