近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

農業と自然とシニア

農村や漁村に行くと、シニアの方は皆さんお元気だ。

少なくとも都会で生活している人よりも、生き生きとして見える。

 

実際、田舎には、農家を営んでいる人が多く、農家では、そもそも、皆さん生涯現役の人が多い。私の親もすでに他界しているが、生涯現役を農業で全うした。

今、コロナ禍で自然回帰の意識が相当芽生えている。

特に、都会生まれと都会育ちの人達に変化を期待したい。働き方も暮らし方も変わる。すでに実現可能性の域を超えて、当たり前になりつつあるのが、テレワークである。

テレワーク可能な仕事は、場所は問わない。地方に暮らしていて都会の会社の仕事をしていても良い。

もともと、この10年ぐらいは、半農半Xという考えで、一部農業、一部は別の仕事という流れが生まれつつあった。そこにコロナ禍によって、一気にテレワークで仕事する事が当たり前になり、ダブルワークもOKする企業も増えてきた。

 

こういう変化の中では、自然と地方に人が向かう流れになる。これは日本だけではない。

単純に都会での生活と田舎で自然に囲まれた生活の優劣をつける話ではない。どちらも一長一短ある。

いきなり、都会で長年暮らしてきたシニアが田舎暮らしは流石に無理がある。しかし、都会暮らしの中に自然との接点や農業の営みを取り入れる方法は意外と沢山ある。

一つは、市民農園である。老若男女、都会の中でも農業をできる施設やサービスが増えつつある。土に触れたことがないシニアでも、年齢関係なく、土を耕し野菜を栽培する。もちろん、家庭菜園でもよい。

 

昔、シニアと言えば、田舎では盆栽いじりが象徴だったように思う。シニアになると、人を慈しむ気持ちもそうだが、自然を愛でることが人間らしさの原点であるように思う。

 

脱サラをして農業を始める人もいる。定年後に農業ビジネスにチャレンジする人もいる。もともと、日本の農業の課題として、専業農家の平均年齢はすでに70歳近くである。流石に、70歳を超えて、就農すると言うのはレアケースだと思うが、60歳や65歳ぐらいであれば、りっぱな即戦力として通用する。

 

これからの農業は産業としての健全化もさることながら、自然の保全や景観の維持、環境にやさしい暮らしの実現など、日本人は改めて、農と向き合う必要がある時代だ。つまり、人間の営みとしての農を発展させていく必要がある時代だ。

 

この部分は、単純に産業として農業の生産性を挙げるとか、高品質の野菜を作る話とは違う。収益先行ではなく、社会インフラとして必要な農の発展には、多くの人達が関わっていく必要がある。

 

そういう中で、シニアが主役になって、暮らしを豊かにするために、人生経験を活かして、貢献できるテーマは沢山ある。

社会貢献的な活動にはシニアは適任である。

働き手が激減している農業の担い手としてではなく、これからの日本に必要で有望な農の発展にシニアに貢献してもらう。

当然、税金や応援投資を原資にする。

そうすることでも、シニアの生きがいの創出にもつながり、これからの地方の活性化や環境問題の解決の一翼をシニアが担う。こういう時代が目の前に来ていると私は考える。

 

 

以上