近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

仕事で一人前になるにはラストパーソンになるべし

仕事と言っても、捉え方はまちまちだ。

今回は、私は納期厳守と品質に焦点をあてて書こうと思う。

 

仕事は大きく分けると、プロジェクトとそうでないものに分かれる。

例えば、ハウスメーカであれば、住宅を作るのはプロジェクトである。この会社の顧客を開拓する営業活動や経理はプロジェクトではない仕事である。要するに、プロジェクトとは簡潔に書くと、達成するべき目標が明確で期限があるものである。プロジェクトもプロジェクト以外も、もちろん品質確保や納期厳守は当たり前であるが、今回はプロジェクトマネジメントに力点を置いて話を進める。

 

プロジェクトマネジメントと言えば、納期、品質に加えてコストが三大要素であり、このすべてを達成するのは実に難しい。ハイスキルなプロジェクトマネージャーが重宝される所以である。

 

私にも、もちろん駆け出しのころはあった。仕事の何たるかも知らない時に、上司に山のような迷惑をかけ、指導された。

誰でも通る道だと思うが、今になって改めてキャリアが浅いうちから身に付けるとしたら何が重要と問われたら、それは仕事の内容や専門性によらず、ラストパーソン意識だと答える。

 

もちろん、思っているだけではだめなのだが、ラストパーソンという意識がなければ、良い結果は生み出せない。土台となる部分だ。

では、ラストパーソンとはどんな人なのか?

実は、どんな仕事にも必ずそういう存在がいる。いなければ日本の様なハイレベルな品質やサービスは実現不可能だ。

手術の執刀医、オーケストラの指揮者、料理長、ホテルの支配人、パイロット、建築家、現場監督、血液検査の看護師、工場長・・・挙げだしたら幾らでも思いつく。

 

逆にラストパーソンの反対を考えてみる。

どうもよい言い方が見当たらない。あえて言うなら、ラストパーソンでない役割の仕事。

先ほど書いたが、新入社員の頃が思い浮かぶが、実はそうではない。

例えば、新入社員に重要な封書を郵便ポストに投函する仕事を頼んだとする。投函することを軽く考えてはいけない。帰り道のついでに投函する。こんなことを頭がよぎった瞬間に、会社を出る時にしっかりとカバンに入れたまでは良いが、うっかり、街を歩いているうちに別の事に気を取られ、投函ミスをする可能性はある。重要な仕事を難易度や手間で軽く考えてはいけないのである。

 

顧客に出す重要な書類のあて名書き。今どきは、パソコンでというかもしれないが、それでもあて名の間違いは信用失墜につながる重要ごとである。正直、私が掛けだしのころ、こういう意識がほぼなかった。

それがだんだんと責任者として仕事を担当しだしてから、自分が最後にちゃんとしないといけないという意識だけは高まってきたのが20代後半だった。

ただ、会社を自分で創めてからは、会社員時代の比ではなくなった。会社を創業した間無の時は、そういう風には思わないが、徐々にじわじわと社長というのは、会社の何事においてもラストパーソンであるという意識がしみ込んでくる。

 

今では、意識することもなく体が反応する。そういう立場で30年近くやっていると誰でもそうなると思う。だからこそ言いたい。若いうちから、自分がしている仕事はどんなことでも、ラストパーソンだと思って取り組めばよい。

 

後ろに誰かいるからとか、やり直しがきくと思わないほうが良い。野球で言うなら、外野の守備をしているとよく分かる。ようするに後逸だ。草野球で、外野のフェンスのない河川敷のようなところで、外野をしていると痛恨のミスがわかる。仮にゴロでも外野が後逸すると間違いなくホームランになる。

もちろん、内野がラストパーソンでないと意味ではない。

こんな感じ仕事を捉えたらよいと私は思う。

人間は自分が本気でラストパーソンと強く意識して行動するだけで、結果は見違える動物である。

 

以上