近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

ありがたみを感じるためにしておきたいこと

今はお金さえ払えば、日本では様々なサービスが受けられる。 

 

宅配、ハウスクリーニング、ペットの散歩代行、運転代行など、一昔前に比べると、自分でやらなくて済むことが増えている。

スーパーやコンビニに行けば、弁当の品ぞろえの多さには驚くし、総菜も充実している。

単純に考えても、昔であれば、自分や家族が時間をかけてしていた事が、お金を払って代行してもらうという生活がどんどん進行している。

 

街のスポーツジムでは限られた時間の中で、時間を捻出してトレーニングに励む。

これもある意味、時間の節約だと思う。

例えば、一日、アウトドアに出かけて、野原を駆け回ったり、海に出かけたりするのがよっぽど健康的だと私は思う。

 

しかし、そういう私も、時間を気にしながら、定期的にスポーツジムで水泳をする。

私もできるだけ、意識しているのが歩くことである。健康を考えてと言うのもあるが、歩くと見えて来るもの、気付くものが沢山ある。

 

もっとも、自分でするスポーツは冒頭で挙げた、代行サービスとは違うので、同列にはできないが時間を節約すると言う意味では近い感覚がある。

 

では、人は節約して捻出した時間を一体何に使うのだろうか?

 

仕事であれば、より付加価値の高い労働をするために、代行する社員やアウトソーシング出来る先があれば、そちらにサービス料を支払って、捻出した時間で別の事をする。

つまり付加価値や単価の高いことをする。

企業経営の本質は、生産性の向上は必須であるから、これは自然の話だ。

 

もちろん、自分たちが経験をするために、自分でやってみることも大切で、企業としては、コスト度返しでも自分でする選択はある。

 

この構図を大企業と中小企業の構図に置き換えると、たいていの場合は、現場を担うのは中小企業という事になり、絶対欠かせない仕事は中小企業が担う。

給料が高いか安いかという議論になれば、大企業の方が断然上だが、現場力は中小が遥かに高い。

 

大企業で長年働くと、現場の仕事感覚が薄れる。一生大企業で過ごすのなら良いが、そういう人は稀で、いずれは、現場に近いところで働く事になる。

 

単純に言えば、中小で働くということだ。今、リカレント教育が流行りかけているが、人生100年時代のことを視野に入れた本質的な教育をしようとすれば、やはり、中小の現場、ものづくりの現場での学びが不可欠だと思う。

 

代行サービスに慣れてしまった働き方をしていると、いざ、自分がしようとしたときに、全くお手上げということが沢山ある。

 

これは、全自動洗濯機に例えても分かり易い。

今の日本では、ほとんどの家庭に普及していると思うが、仮に地震などの自然災害で電気がストップする。水道が使えないとなると、この機械は機能しない。

一時的にしろ、水を汲んできて手洗いだ。いざとなれば、出来る人も多いだろうか、やはり、自動化に慣れてしまうと、いざという時にできないことも多い。

 

今の世の中、普段の生活で現場が見えないことが多い。実に多くの人が私たちの生活に欠かせない現場で働いている。そいう方たちの働きで社会基盤ができていることにも気づくことが少ない時代だ。

 

時間を節約するために、自分が楽をするために。こういう顧客としての要求を触発しながら、代行サービスなどが充実してきた。

 

そして、お金がある人達は当たり前に利用する。

こういう社会が進展すると、本当に頑張って現場で働いている人のありがたみは分からなくなる。

 

一つずつ少しずつでも自分の事は自分でするという生活スタイルに戻す時期が来ている私は思う。

 

以上