近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

仕事のスキルはスポーツのスキルと同様に劣化する

スポーツというのは年齢と共に、総じてパフォーマンが落ちる。

種類によって程度差はあるが、たいていのスポーツは20代、30代がピークだ。

比較的息の長いスポーツのゴルフでもプロの世界を見ていても分かるが、頑張って40代前半である。

 

これはアマチュアの世界や趣味の世界のスポーツでも変わらない。

私も今でもスポーツは続けているが、今は水泳にしても40代前半の時に比べると泳ぐ距離は半分になっている。

 

それぐらいの時は、野球もしていた。会社の野球チームで結構タフに楽しんでいた。

ゴルフは20年ぐらいは続けているが、それにしても単純に飛距離は落ちる。

 

私はよく仕事のスキルの向上とスポーツのスキルの向上を比較する。とても共通点が多い。

 

何事も基礎がなくて応用はできない。

またコツコツと継続することが何よりも大切だ。

 

もう10年以上前であるが、日本人、ベトナム人向けの仕事の基礎教育のテキスト、ヒューマンブランドシリーズ“仕事のいろは”もスポーツと比較することで内容まとめた。

日本は言うまでもなく、ベトナム人にも理解が早いと思ったからだ。

 

 

ここでひとつ考えてみたい。

というか私はこの20年ぐらいずっと考えていることがある。

仕事の内容や本人の素養と努力にもよるが、本当に仕事のスキルは向上し続けるのだろうか?

スポーツのように、ピーク年齢があるのではないか?

 

シンプルに書くと、フィジカル的なウェイトが高い仕事、例えば、肉体労働、農業、運送業、引っ越し業などは、やはり、体力のピークと相関して仕事のパフォーマンススキルもピークを迎える。これは大抵の人が想像できる。

 

では、マネジメントや頭脳を使う仕事はどうだろうか?

なかなか、分類するのは難しいが、人を動かす、人に仕事を依頼するスキルは40代、50代でも向上し続けるだろう。ピークは60代後半ではないだろうかと思う。

 

実際、この年齢の現役の経営者は沢山いる。ではプロジェクトのマネジメントはどうだろうか?

職種にもよるが、建築の現場監督を考えてみる。一般的に40代ぐらいが現場に出て建設工事を仕切るピークではないだろうか。

 

千差万別ではあるが、仕事の種類や難易度によって、仕事スキルのピークはあると思う。

 

簡単に言えば、今は人生が長くなり、65歳定年が当たり前。そろそろ70歳になろうとしているが、やはり、この年齢まで、バリバリで仕事できる人はいない。

 

特に、いくら経験があると言っても30年、40年前のものでは、時代も違うし、ビジネスに必要なスキルも違う。当然、長いブランクで、もともとできていた仕事スキルも劣化している。

 

こういうことを客観的に正しく理解できないと、活用する側も働く側もミスマッチで不幸なことになる。ITが本格的に職場に登場して約30年ぐらいだ。

 

今の50歳代以下の人は何らかでパソコンは使っている経験がある。しかしながら、日進月歩過ぎて、スキルの向上と適応が追い付いて行かない。

今の時代にフィットした仕事スキルを維持するのは大変だ。

 

なにも60代でなくても、平均的に40代から仕事スキルの劣化は始まる。昔取った杵柄と言う言葉があるように、経験や知恵はまだ、何とか使えても、肝心な現場力や実践力は劣化する。

 

そういうことを理解して、その修正とメンテナンスをしないと、50代、60代で、まだまだ、体力的には何とかなっても、仕事スキルが劣化してしまっては折角の活躍機会を失うことになる。

 

40歳になる前から、仕事スキルの劣化を防ぐ、基礎とレーニングが必要な時代だと思う。

 

以上