近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

会社になぜオフィスが必要かを改めて考えてみる

会社経営をしている中で、オフィスをどうするか?と言う課題は結構悩ましい。

 

私は、28年前、会社を立ち上げたときは、自宅兼事務所だった。自宅の私の部屋をオフィスとした。その時流行っていたSOHOワーカーを標榜したのである。今で言えば、ワーケーションということになる。

 

創業して、ベビー用品のリサイクル業が最初のビジネスだった。個人の顧客を獲得するために、信用を意識した。そして、サービスオフィスを使うことにした。秘書代行サービスとも言う。

 

月数万円支払えば、住所も貸してくれるし電話対応もしてもらえる。これも重宝した。今では、世界中で当たり前のサービスとして定着した。

 

もともと、オフィスを借りないスタイルを指向していたが、阪神大震災を転機に、オフィスを借りた。

正直、オフィスを借りると会社が立派になったという錯覚に陥る。

もちろん、初めてオフィスを借りたときはそうは思っていない。数名足らずの社員が同じ場所で仕事したり打合せしたりすることはとても新鮮だった。

 

その後、社員の増加を見越してオフィスを変わっていくことになる。日本では神戸で始めて、大阪支店や名古屋支店、福岡支店なども展開した。まずはオフィスを借りることからスタートした。その後、東京にも進出した。こちらもまずはオフィスを借りた。

 

30年近く活動している中では、引っ越しの回数は軽く二けたを越えている。ベトナムに20年前に進出した時もオフィスを借りることからスタートした。ベトナムでは、ホーチミンハノイ、ダナン、カントー、ゲアンと展開する中でオフィスを借りた。また、引っ越しも何度もした。

 

ざっと振り返るだけで、どう考えても無駄な投資、過剰なオフィスであったと反省を込めて断言できる。

 

 

今は流石に思っていないが、少なくとも会社を創業した時は、自分自身もオフィスが会社の活動には必要だと長年思いこんでしまっていた。もともと、SOHOワーカーで進もうと思っていたにも関わらず、オフィスを借りて、世間の常識に飲み込まれた。

 

少なくともその当時は、ある程度のお客様と取引するには、オフィスがないと信用がもらえなかったのも事実だ。法人の顧客は特にそうだ。

お客様にも、オフィスに来ていただいて初めて、信用を獲得することが出来た。

そのためのだけの訪問も実際に沢山あったと思う。考えてみればオフィスはちゃんとしたビジネスしている証でもあった。

 

確かに、オフィスを借りる時に家主さんはなんらかで借り手を信用できるかどうかを確認している。社長の保証も必要だ。

またオフィスがあると、簡単には消えたりできない。こういう世界は詐欺まがいの話ではあるが・・・。

 

その後時代は大きく変わっていく。

今、改めて考えて、オフィスを構えていることは信用なのか?ということになる。

コロナ禍ではそういう意識は減っているが、終息した時に果たしてどうなるか?

 

実際に、仕事の現場レベルでは、オフィスが何のために必要だったかは、オンライン体験が増えてくることによって改めて明確になっている。

 

オンラインばかりで顔を合わせていたのでは、どうも人間関係の良好な発展は鈍化するし、阻害されているように思う。

であれば、最低でも1週間に一回ぐらいは、一堂に会す必要があるかもしれない。

 

でも、それなら常時のオフィスはいらない。極端な話、ホテルのロビーやカフェでも事足りるかもしれない。

それこそ、数社で共有のオフィスとすればよい。

あと、仕事に必要な資料などを置いておく場所が必要ではある。

確かに、いくらITが進化したとしても、全てパソコンやオンラインで仕事はできない。理由は簡単だ。人間が疲れてしまうから。

 

このまま、無節操にIT化が進むと、人間が疲れるためのIT化が進むことにもなる。

だから紙で仕事することも大切だ。そういうものを保管する場所としてのオフィスも必要だろう。

 

また、特別な仕事、例えば、機密性が超高い仕事は、秘密の高い部屋でしないといけない。

 

一方、今までのような管理業務などは、在宅やテレワークで出来る可能性大だ。すでに、どんどん進行しているし、ソフトウェアロボットも実用化され請求書発行なども電子化される。オフィスでする必要のない仕事である。

 

もちろん、従来通りのオフィスにこだわる会社も沢山あると思うが、私は違う。

 

そもそも、オフィスを持たない経営を指向して会社を立ち上げた。

巡り巡って、無駄なオフィスのコストも払い続けた苦い経験の中、そろそろ、先進的なオフィスの活用モデルを構築しようと思う。

 

以上