近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

オールジャパンで多文化共生社会の創造が必要な現代

日本の特徴と言えば、島国であり建国以来2000年を越える歴史があると言われている。

世界でも稀有な国である。

 

単一民族ではないことはすでに明らかになっているが、それでもこれだけ長い間、島国として栄えてきた国だからこそ、外国人受け入れの抵抗感は半端ないのかもしれない。こんなことを最近更に強く思うようになっている。

 

この前、多文化共生というテーマを少し深く考える機会があった。

ある自治体のメディアコンテンツ作成の公募に応募した。結果としては、採択されなかったが、多文化共生について、外国人との共生について、色々と得るものがあった。

 

言葉としてはもちろん、知っているし、仕事柄も多文化共生という考え方というよりも先に、若い頃から体験してきた実感はある。

 

私は20代からマレーシア人、中国人と一緒に働いてきた。今ではベトナム人、ネパール人、ルワンダ人、ケニア人などが社員にいて、色々とコミュニケーションや言葉の違いなどにも苦労しながらも、あれこれと仕事をこなしている。

 

日本の地方自治体がとても積極的に多文化共生にも取り組んでいることを改めて知り、思うことがある。

特に、外国人が多く住んでいる地域ほど、積極的だ。考えてみれば当たり前のことであるが、工業地帯には随分前から技能研修生が数多く働いている。また、第一次産業が盛んな地方では、農業や漁業、食品加工工場などでも働いている。

 

留学生として日本に来る外国人も急増している。

ネットで調べてもすぐ出てくるが、留学生も技能研修生も、日本の近隣の新興国出身者が圧倒している。

 

すでに中国は先進国かもしれないが、日本に来る中国人の目線で考えれば、まだ新興国と言えると思う。

 

ここ数十年で、労働力不足を補うために、国策とし一気に外国人受け入れを推進している。留学生受け入れ30万人計画はすでに達成したが、実態は、これもかなりの人がアルバイトという労働力にもなっている。

 

このあたりが、表から見る建前の部分と実態との乖離である。今でも、日本で働くために留学する外国人の数は相当多い。

 

いずれにしても、理由は何であれ、今後も日本には外国人は増える一方である。

移民国家が話題になるほど、この流れは止まらない。

こんな事情である日本が、遅ればせながら、ようやく、多文化共生を学び考え、外国人と共生しましょう。という流れだと思うが、国内だけで多文化共生を進めたのでは、不十分だと私は考えている。

 

一つの感覚は、そもそも、日本以外のほとんどの国は、多文化共生云々の前に、沢山の国籍の人が混在して社会が成り立っている。大陸国はほとんどがそうだ。

 

 

もう一つは、やはり、日本人が彼らのことを知らなさすぎるのが大きな問題である。

日本に来ている外国人だけと接しても、どうしても理解が及ばなかったり、視野が狭くなる。日本国内の日本人の尺度で接してしまう。

 

何年か前に、こんなニュースが流れた。

ベトナム人が、山で誰かが飼育していたヤギを食べた。これは軽犯罪であると。

確かに、日本人の目線からしたらそうだ。しかし、ベトナムの田舎に行けば分かる。ヤギは主食だし、野生のヤギも沢山いる。

 

もちろん、日本に来ているからには、日本の法律は守らないといけない。一方で、生活習慣などは完全に合わせる必要がないし出来ない。

 

本当の意味で、生活を共にすることが出来れば、多文化共生は学ばなくても自然に身につくことだと思う。それには相当時間がかかる。

やはり、新興国での生活を体験している日本人の参画が必要と考えている。

 

多文化共生に関する取り組みに積極的にチャレンジしようと思う。

 

以上