近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

個人の価値観のベースは生まれ育ち

あの人とは、価値観があう、価値観が違う。

必ずしも口に出さなくても、心の中でつぶやくことは結構多いと思う。

とは言いながら、この価値観が何かと説明しろと言われても、なかなか、難しいところがある。

 

人生が長くなると、気付いてみたら、確かに価値観があう人との付き合いが多いようには感じる。若い頃、例えば、30代であれば、ノリや勢いという感覚が結構優先してきた。なぜなら、価値観と言っても、人の価値観の判断もできなければ、自分の価値観も何か定まっていない。

 

もちろん、60歳になったからと言って、確立されている訳ではないが、昔よりも生き方にしても、仕事の仕方にしても、普段の生活にしても、自分の信念や行動哲学のようなものが生まれてきて、そういう価値判断によって、自分の行動を決めたり、誰と継続的に付き合うかを決めたりしているように思う。

 

私は、田舎の自然に囲まれた中で生まれ育ったので、平均的な人よりも、自然というのを意識していると思う。もちろん、私の世代にはそういう人が多いのも事実である。

だから、都会のど真ん中で、ひたすら儲けるビジネスをする感覚はない。

仮に、そういう世界で大成功したとしても、自分自身が不安定になりそうである。やっぱり、子供の頃の感覚、自然の豊かな中で穏やかな日々を過ごす。人と出会うにしても、近所の人だけ。こういう世界で生まれ育っていると、長年の都会暮らしに慣れたようでいて、本質的には、子供の頃の原体験が自分の今の言動を決めていることに気づく機会が増えてきた。

 

私は海外に行くことが平均的な人よりは多かったと思う。ただ、それは欧米などの先進国ではなく、ベトナムカンボジアミャンマーなどのこれからの国だ。こういう国に行くと私のような生まれ育ちの人間からは、郷愁を覚えるのである。

 

自分の子供の頃の原風景とそっくりな世界があちこちにあるのだ。こういう場所でビジネスを考えることも大切ではあるが、それ以上に、この昔懐かしい場所と関わっていたいという気持ちがふつふつと湧いてくるのである。

この感覚はアフリカでも同じだ。

私が7年前に初めてアフリカのウガンダを訪れた時、昔のベトナムに似ているなと感じたことを今日の事のように思い出す。

 

アジアとアフリカの違いではなく、私の持っている子供の頃の原体験は、少し前のアジア、今のアフリカとそっくりなのである。

今やっている仕事についてもそうである。

自然産業というテーマに関わって、農業に関係するビジネスを推進している。いつどこで、そういう判断をしたかと言われても、巡り合わせとしか言えない。

長年ITの仕事をしてきていると、私の事をそういう世界が好きな人だという風にみられることは多い。しかし、これにしてもたまたま、ITという仕事に縁が出来ただけで、この世界での仕事もやりがいはあるし面白いところもあるが、それよりも、自然や農業にどう適応するか、活用するかに意識が向く。

 

世の中には、色々と活躍している人がいる。メディア的に有名なになると、結構、その方々の子供の頃の状況が、明るみにされることは多い。

 

まあ、ご自身が積極的に話しするのだと思っているが、やっぱり、ある程度、年齢を重ねると、子供の頃の原体験、そういう時期に知らず知らずのうちに、生み出された価値観があり、長い人生の中で、徐々に気づきながら、付き合いながら生きているような気がしている。

 

以上