近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

ITの変遷から将来を予測する

いきなりだが、タイトルの“ITの変遷から将来を予測する”ことはできるのか?

現時点での私の考えでは、一言で言えば、それはとても難しい。

今から、理由を書いていきたいが、実は、少し前に、オンラインの私の番組の一つ“近藤昇のITなんでも相談室”で、若手起業家から受けた質問がとても新鮮で、それ以来あれこれと考えている。

 

彼の質問は端的で、“近藤さんがITに長いこと関わっておられるので、ITの変遷が知りたいです”と。確かに、私は仕事する立場として約40年、経営をする立場として約30年、何らかでITに関わって来た。

20代は、いわゆるプログラマーシステムエンジニアを中心に企業のIT活用の仕事に取り組んだ。実に多くの業者のIT活用の現場で仕事した。だが、この時は、天職に巡り合えたと言う感覚はなかった。

 

そして、31歳で独立した時に、ベビー用品の売買システムをITで構築し、起業家として最初の事業を始めた。震災や色々な理由で、この事業は頓挫したが、こういう風に、ITを使って、事業を創造することは今でも当たり前に考えている。

 

結果的には、中小企業を中心とした組織活動の中でITを如何に効率よく使うかという仕事を長年行ってきた。私の仕事自体は、極端に言えば、この40年、あまり変わっていない。一方で、この間に、劇的に変わり続けているのがツールとしてのITだ。

そもそも、ITという言い方が定着してまだ、20年少しである。それまでは、OA(オフィスオートメーション)と言う表現が主流で、オフィスで行う業務をパソコンやオフコンと呼ばれるコンピューターを使って仕事するようになっていった時代だ。

デジタルと言う用語は、IT業界や特殊な分野の専門用語でしかなかった。ITという言葉がなかった時代は、シンプルにコンピューターを使って、何をするかというとても分かり易い仕事だったと思う。

そういう意味では、私がコンピューターに関わって来たこの40年の前半20年は、それほど大きな変化はなかったと言える。やはり、劇的な変化が始まったのは、インターネットが登場した頃からである。

もちろん、その間にも、コンピューターを動かすソフトウェアは進化し続けていた。世の中に、ソフトウェアパッケージと言って、パソコンで動く会計ソフトや販売管理ソフトが普及しだしたのが、25年前ぐらいからだ。

 

それでも、やはり、オーダーメードと言って自社オリジナルな業務の仕方にフイットするソフトウェア開発が主流だった。15年ほど前から、インターネットの普及とともに、ASPと呼ばれる、ソフトウェアパッケージを買って使うのではなく、サービスとして利用する形態が始まった。そして、SASSと呼び名が変わり、今は、クラウドサービスとして市民権を得た感じがある。

 

つまり、今は、企業がソフトウェアパッケージを買うのでもなく、当然、オーダーメードでもなく、借りて使う事が当たり前になりつつある時代だ。この辺りまでは、企業や組織が業務を効率よく行うためのIT活用であるから、結局は、昔のOA化と変わっていない。

 

劇的に変わったものをあげるとすれば、やはり、スマホとそれと連動するコミュニケーションのやり方である。

スマホによって、人がどこにいても移動中でも遠隔の人とコミュニケーションができるようになった。もちろん、パソコンでもできることはあったが、格段に容易にできるようになったのは、スマホが登場したからだ。

 

今は、スマホ一つあれば、どこにいても誰とでも仕事ができる職種もある。私も、ここ数年は、相当な時間スマホを使っている。まとまって、情報を整理したいときと、ある程度の文章量をうつのはパソコンだが、それ以外の社内外のコミュニケーションや指示や情報のやりとりはスマホでできる。

 

こういう風に書き出したら、幾らでもあるのだが、まず言いたいことは、たった20、30年前、今のように仕事しているとは夢にも思わなかった、ということである。

この続きは、次回に書くが、こういう自分の体験とITを取り巻く変遷を振り返ってみて、未来を予想することはとても難しい。

 

以上