近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

チームワークが見えないテレワーク

テレワークが普及しつつある中、様々な課題が浮き彫りになっている。

新しいことを始めると、何事もそうで、だんだんと、新たな問題やデメリットに気づきだす。特に、コロナ禍をきっかけに、世界中でオンライン体験が一気に進んだ。ビジネスでは言うまでもないが、一般の生活者の体験も劇的に進んだ。

 

こういうオンラインでのコミュニケーション環境は、日々進化し続けているが、人間の適応が明らかに間に合っていない。

コロナ禍以前でも、オンラインは一部で当たり前に使われていたし、テレワークや在宅勤務も行われていた。コロナ禍がなければ、おそらく、だいたい10年ぐらいかけて、ゆっくりじっくり浸透していっただろうと、こういう環境での長年の仕事体験から考えている。

 

人間は、試行錯誤を繰り返し、いったり来たりしながら、変化に適応してくのが自然だ。

今回は、思わぬことで、性急にオンライン活用が迫られた。当然、その反動で、オンライン疲れ、テレワーク疲れが発生している。その中でも、見事に新しい環境に適応して、仕事スタイルを変えたり、ビジネスのやり方が変わったりしたことも多い。

 

単純に言えば、オンラインやテレワークのメリットが多大な分野では、今更、もとのオフラインに戻ることはない。

これもひとつの経営環境としてとらえても劇的な変化であり、これからも連続的に生まれていく。

今、DXブームで変革流行ではあるが、こういううわべの変革よりも、足元から自然発生的に生まれてくる方が、私たちの仕事や生活の利便性や快適さの向上には寄与するだろう。

 

誰かが、強引に変えていくのではなく、今のオンラインやテレワーク環境を使っているユーザーからの様々な創意工夫が生まれてくるだろう。何も、今、注目の新種のスタートアップだけが世の中を変えている訳ではない。

もちろん、一部には社会的インパクトを持った企業もあるが、ほとんどが、ITを使った珍しい仕組み作りといったレベルのビジネスモデルに過ぎない。

 

こんな背景の中、そもそも、テレワークでチームワークが発揮できるのかを考えてみたい。

私が、ここ最近ずっと考えて試行錯誤しているテーマである。

人間というのは、1か所に集まって、何か目的をもって活動をする。それは、プロジェクトであったり、イベントであったり、勉強会であったり、交流会であったり。

こういう活動の根底に必要なのが、チームワークである。これは製造業でも建設業でもサービス業でも、どんな仕事にもだ。

このチームワーク力というのは、やはり、人間が直接集まることによって、最大化されるように思う。

例えば、いくらオンラインに習熟した集団でも、オンラインのみで、チームワーク力を発揮して仕事の結果を出すのは、とても困難だと思う。

一人一人が専門職で、仕事の過程で、チームのメンバー通しのコミュニケーションを必要としない業務であれば、支障があまりないかもしれない。だが、プロジェクトの遂行や経営の実践などの場面では、オンラインのみでは、マイナス面が浮き彫りになる。

 

士気が高まる、目標達成に向かって一丸となる、やる気を共有する、お互いをカバーする。こういう風に書くと、スポーツの世界のように思う人もいるかもしれないが、ハイレベルの仕事集団では当たり前の事であり、そのためには、やはり、1か所に集まっている必要がある。

こういう部分も全てオンラインに切り替えるのは、人間である限り、不可能だろう。

 

ITをツールとして仕事に生活に日常で当たり前に使いだした今日。人間は、新たなる進化できるのか、大きな分岐点にあるように思う。

 

 

以上