近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

数十年ぶりに農作業をしてみて想うこと

11月の上旬、数十年ぶりに農作業をした。

一言でいうと、実に面白かった。

 

こんな書き出しにすると、農家さんは怒るかもしれない。 

農業は大変なんだ。

面白いとは何事か!

農家の仕事をなめるなよ。

随分前に他界した親父にも怒られそうだ。

 

農作業をした理由というか目的は明確でいたって真剣だが、農業の大変さを改めて思い出したのと、現代の農業の進化をあちこちで感じた。

 

それと同時に、農家が抱えるとてつもなく大きな問題認識のきっかけにもなった。

場所は、南あわじ市の津井という農村だ。

とは言っても、すぐ近くが海であり瀬戸内海に面した温暖な気候の南あわじ市の中でも、少し小さめの集落だ。

 

聞けば、この一帯は瓦産業が盛んだったよう。

それでも、この集落を見渡すと農地がほとんどだと分かる。山にも海にも隣接していて、私がとても好きな環境と風景だ。

 

色々な縁が重なって、この津井でブレインワークスが運営する古い家を活用したブレスタをオープンした。今年の6月だからすでに半年になろうとしている。

 

当初の計画通り農地も借りた。

関連会社の自然産業研究所では、RINCファームと称して、日本の各地で自らが農業の実証にチャレンジする計画だ。その第一号ファームが津井となった次第である。

 

もう秋も深まり冬が近づく中での作付け。

できる野菜は限られてくる。淡路島と言えば、玉ねぎ。今年はまずは定番の玉ねぎを試しておくことにした。

 

現時点では、津井では3か所の農地をご縁で借りている。そのうちの一つ、ブレスタの家に隣接する農地をまず使うことにした。

私の場合は、子供の頃いやいやながらも、本格的な農業の仕事をしていた経験がある。高校卒業の18歳までに農業に関することは一通りした。

土地を耕し畝を立て。苗を植え。丁寧に根気よく草取りなどをし必要に応じて農薬も散布。そして収穫を待つ。

 

私が子供の頃は稲作もやっていた。ほどなく村全体が川砂で埋められ、さつま芋の鳴門金時畑に変身した。当時は二毛作で冬は大根をしていた。それ以来鳴門金時を実家では作り続けている。

 

農家では当たり前だが、自分たちが食する野菜類は全部自前で栽培だ。だから、キュウリやナス、ピーマン、ニンジン、ジャガイモ・・およそ存在する野菜は全て栽培していたと思う。

 

だから、そういう感覚は今でも体のどこかで覚えている。とは言いながら、ブランクが大きすぎるのと自分が責任の主体でやるのは初めてである。

 

私になりに考えた。

まずは、最新の農業というのを知ろうと。

もちろん、国内外で10年以上、農業ビジネスに関わっているので、その道のプロも沢山周囲につながっている。会社の主要メンバーにも専門家はいる。

だが、最初は、自分の昔の感覚をベースに下地作りをしようと考えて本と動画に頼ることにした。

今どきの農業を知る、学ぶには、すばらしい本が沢山ある。むしろあり過ぎて迷う。

そして動画。YouTubeで玉ねぎの作り方、畝の立て方、マルチの貼り方・・検索に何を入れてもジャストフィットの動画が幾つも出てくる。

 

ある意味、経験と勘と度胸の世界でもある農業が、なんとも驚くぐらいに見える化がされているではないか。

また、ミニ耕運機の優れものにも出会った。

中古で色々と探したが、結局は、新品のミニ耕運機を買った。主たるターゲットは市民農園をする人のようだ。実際使ってみて、最新の機械も改めて凄いと思った。

 

こんなことを試行錯誤しながら、ということは・・・。と考えみた。

これだけお膳立てがあっても、やはり必要なのは実践。これだけ知識やノウハウが世間に溢れていると、ついつい頭でっかちになる。まずは、自分でやってみて、自分に必要なものが何かを掴む。草を刈ること、土を触ること耕すこと、マルチを張ること・・・。やってみると分かる。

 

何事にも通ずるが、まずは四の五の言わずにやってみる。

ここに、今の日本に欠けている共通のものがあることを確信した。

RINCファームについて、やってみたことを折に触れてブログにも書こうと思っている。

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以上