近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

ITを使いこなすスキルとして求められること

今やITは、働く人にとって避けては通れないテーマになった。

一昔前は、ITと言えば、専門職者の人達だけのものだった。もちろん、ITの仕組みの提供とかソフトウェアのコアの部分の製作などは、今後もプロフェッショナルな領域である。

 

専門的に言えば、ハードウェアやOS(オペレーティングシステム)、プログラミング言語、ソフトウェアの生成ツールなどを製作するのは、常に専門家で、これからも変わらない領域である。

これは、車に例えると、車のメーカーの仕事になる。

これからも、この車のメーカーにあたる役割は、ITの世界でも変化は激しい領域であるが、専門職種として、さらには高度化していくのは疑う余地はない。

車は、極端な話し、製造するメーカーと、利用するユーザーがいる。ITはもっと、複雑で見えにくいところが多いが、ITもソフトウェアや仕組みを作る側と、ユーザーがいる。私も、随分前から、IT活用を車の利用に例えてきたが、一般的には、自分で免許をもって運転するのがオーソドックスだ。

車の使い方を熟知して、運転を習熟して、法律を遵守して、マナーを守り、コストパフォーマスを常に意識する。最近であれば、環境配慮もドライバーとしても求められる領域に入って来た。

 

実は、ITも似たように考えても間違いはないのである。まず考えないといけないのは、ITを何のためにどう使うか?

これは、車よりはるかに用途は多いが、テーマを絞り込めば、そんなに迷走することはない。

そして、法令遵守も必要だ。デジタルデータを扱うと関連してくる法律も沢山ある。使い方を間違えば、風評被害を引き起こしたり、訴訟問題になったりもしかねない。

そして、マナーも大切だ。特に、コミュニケーションに使う時は配慮が必要だ。

コストも気になる。知らず知らずに、結構な費用が掛かる。そして、グリーンITと言う言葉もあるように、健全な目的でITは使わないといけないし、そもそも、ITを使う事は環境に負荷がかかっていることも知っていないといけない。

 

更に大切なことがある。

それは、車を利用する人達は、必ずしも自分で運転する必要はないことを再認識することである。運転を誰かにお願いすることも出るし、タクシーに乗ることもできる。要するに、車で移動する目的が明確で、利用の仕方が分かっていれば、車の利便性は享受できる。

 

実は、ITも似たようなもので、ITのテクニカルな部分に精通している必要は全くない。車で言えば、ボンネットを開けて、専門的な視点から点検が出来る必要はない。運転の方法を知る必要もない。

つまり、IT機器を使えなくても何の問題もない。代わりにIT操作を行ってもらえばよい。私の昔からの持論でもある。

この10年ぐらいで、一般市民も含めて、ITと言えば、たいていの人が使用しているスマホが生活のベースになりすぎた。

 

そうなると、社会全体が、スマホが使えないと、デジタル化が急速に進行する社会で、不自由を感じる人が増えていく。私は、せめて、スマホではなく、もっとシンプル機能の専用端末を開発すればよいと思っている。

ただ、これにしても一過性で、今後は、音声で様々なITが利用できるのが理想ではないかと思っている。

 

こんな数年先、10年先を見据えていけば、これからのビジルスパーソンに必要なITスキルとは何かが見えてくる。

一つは、何のために使うのか?

健全なことに利用されているかを見極める力、それと、健全な事に、ITを利用するように導く力だ。このあたりが、これからのITスキルとして必須になると考えている。

 

以上