近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

本の本を制作しています

本と出合わなかった人生だったとしたら、私はどうなっていたのだろうか。

 

最近、良く考えるようになった。

とくにコロナ禍になって、本との関りがとても密に深くなった。これは、仕事においても生活においてもである。

そして、私のこの先の人生は特に本との関りでその充実度と満足度が決まるように思っている。もちろん、本との関り方には色々ある。

 

世の中には、私の何倍もの本好きの方がいて、子供の頃からそれこそ何十年と読者という立場で、本と関わってきた人は幾らでもいるだろう。

一方で、出版会社に勤めていれば、本創りという仕事にしている人も沢山いる。また、フリーターとして素晴らしい本をライティングしたり編集したりするプロも沢山いる。

 

ただ、私の場合は、30年前、つまり、自分で会社を創業した頃には全く想定していなかった領域である。それは、自分が著者になっていることと、出版会社を経営することだ。

それが土台になって、この約20年間は、本の魅力と新たな価値創造にのめり込んでいる。

もちろん、本のシンプルな役割と価値は理解しているつもりだ。本の大半は人間の知的活動の集大成であり、個々の著者の生き様、体験、智慧、想いなどが凝縮された人間にしかできない、知的生産活動だと思う。

 

 

 

 

そして、今世界中に存在する本を全てまとめたものが存在すると考えたら、人間のこの活動に、我ながら、摩訶不思議な人間と言う存在に想いを馳せたくもなるのである。

今、私は想うところがあって、人生で一番本創りに没頭している。

 

具体的には2つの立場がある。

自身が著者として、複数冊の本を執筆、発刊している途中である。

もう一つは、経営者として仲良くなった方や、お付き合いのある尊敬している創業者の方々の本の出版をお手伝いすることである。

 

特にコロナ禍になってから、いつも以上に考える時間が増えた。これは、感じる時間が増えたと言えるかもしれない。もちろん、コロナ禍以前でも同じような事はしていたつもりだが、その時は、移動時間というのが相当あった。

 

国内外を人並み以上に移動する時間が多かったので、本に集中する時間はあまりなく、移動の中で接したり出会ったりした人との関りから、刺激や情報を得ていた。

それが、コロナ禍で劇的に私の行動様式が変わった。ほとんど神戸にいて、移動による情報収集や出会いではなく、静的に神戸というそれなりの街で過ごす中で、自然に、本とのかかわりが深まったのである。

 

本のすばらしさや役割は色々あるが、私は、本は人類最大の知的な発明であると考えている。

 

それは仮に本が世の中に存在しなかったら、私たち人間はどうなるだろうかと思う事と表裏である。もちろん、それは、私たちが知っている本だけのことではない。少し幅広に考えると、記録するということである。

 

人間は誕生以来、壁画にはじまり、何らかの記録をしてきた。ということは、他人に伝える意図や意志があると考えるのが自然だ。一つは、その時代時代に現存している人間同士に伝える。共有する。自分の生きた証や種族の活動を残す意図だったのかもしれない。

必ずしも後世に伝える意志があったかどうかは誰にも分からない。こういう記録があるからこそ、私たちは、自分たち人間の進化の様子やその当時の生活様式や文化を垣間見ることが出来る。

 

現代は、デジタル技術も人間は使いこなすようになった。記録のやり方、記録の持つ役割が劇的に変わった。私は、今世紀を記録の世紀と名付けているが、こういう時代だからこそ、なおさら本の役割が際立って見えてくるように思う。

 

私自身もまだ、まだまだ未知の本の世界を知らないことが沢山ある。そして、活用方法や付加価値を考えた場合、もっともっと、奥の深い何かがあると確信に近いものがある。

そういう意味では、まだ、始まったばかりだとも思っている。

10年ほど前に、“本でビジネスを創造する本”というビジネス書を出版したが、続編を出すことにした。これから本を書く可能性がある方々に、本の良さをお伝えしたいと想って、急ぎで、本にまとめることにした。

 

この人類最大の知的発明の本というものに、多くの方に関わってほしい。ご自身の価値や魅力に気付かずにいる方に本というツールを通して、世の中に伝えてほしい。

 

色々とビジネスやプライベートでお付き合い頂いてきた方々と一緒に、本のまだ見えない価値の発見と新たな役割を創っていきたい。こんなことを想いながら、今までの著者として、出版会社の経営をする立場としての体験を基に、本の価値を書き残しておくための本である。

 

一人でも多くの方々に本の魅力を知っていただき、本との関りを加えることで、人生を更に充実して満喫して欲しいと思っている。

 

以上