近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

ビジネス教育と社会勉強のギャップ

今、何らかで働いている人で、仕事するための教育を全く受けたことがない人は少ないだろう。

 

例えば、社会人になれば、新入社員教育がある。大企業やエクセレントな会社であれば、必ず、ちゃんとした入社後研修を受ける。中小企業にしても、ピンキリではあるが、トップクラスになると、創業者が徹底した教育を実施する会社もあれば、外部研修に頼ることもある。ただ、中小企業の場合は、新入社員研修の様な機会はない会社も多い。

とは言え、仕事をするための教育はどんな企業でも必要に応じて用意されている。例えば、建築現場に配属であれば、安全な仕事のやり方を学ばないと、仕事の手順だけ覚えてもリスクを孕んだままになるし、特に整理整頓に代表される5Sは徹底的に仕込まれるだろう。

これは、大手ゼネコンだけの話ではなく、下請け、孫請けであっても、同様だ。なぜなら、一緒のプロジェクトで働く以上は、誰一人安全管理を怠ってはならないし、その基本が5Sということになる。これは製造業でも同じ。

一方管理畑であっても、たとえ幾ら経理の専門学校で基礎知識は完ぺきだったとしても、その会社独自の会計のやり方を学ぶ。また、サービス業であっても、仮に就職前にアルバイトで接客に精通していても、やはり、上には上があるから、自然と顧客サービスを学ぶ機会が増える。

 

こんな風に、働くための教育と言うのは、日本はとても恵まれている。程度差はあるが、会社がある程度機会を用意している。企業としては、スキルアップしてもらわないと、ビジネスとしての戦力にならないからだ。

また、中途入社組も、幾ら、それまで前職でハイスキルの仕事力があって、実績豊富でも、入社した会社で中途入社の教育がある。

いずれにしても、総じて会社が行う教育と言うものは、その会社の戦力となるように用意されている。

 

これはこれで、不自然ではないのだが、今は、人材は流動化する時代である。一つの会社や同じ業界の仕事のやり方やノウハウを身に付けることは大事だが、それは世間では通用しないことも多々ある。

まあ、これも書き出したらきりがないので、シンプルにまとめると、世の中の変化に適応する柔軟性や創造力などは、一つの会社などで凝り固まってしまうと、どうしようもなく、やっかいなものになるということだ。

それしか知らない。このやり方で、20年、30年通用したとなると、それを壊して新しいことにチャレンジといのうは、なかなか骨が折れる。

 

今、世の中の大きな変化の潮流としては、働き方が変わりつつある。それは、一体何のために働くのかが問われ始めているとも言える。

もちろん、生活の糧になる収入を得て、仕事も含めて充実した人生を歩むことは、昔も今も変わらないが、徐々に企業のあり方が問われだしているのだ。SDGS流行だからという訳ではなく、SDGSも変化の予兆の一つに過ぎないと思っている。

 

このブログでも何度も書いてきたが、企業の存在価値が問い直されている。

地球環境を破壊したり、貧困国や新興国を犠牲にしたりして、先進国の経済発展や企業の利益が享受できているとしたら、これは一刻も早く是正が必要な時代である。

今でも情報が溢れているが、見えなかったことによる弊害が次々と明るみになる。結局、これからの基準に照らして健全なビジネスや経営をしてこなかった企業は大変革を迫られる。

これは会社の規模は関係ない。こんな時代に、自分が受けてきた企業での教育は本当にこれからの世の中で役立つのか?これからの社会で通用するスキルなのかをしっかり働く個人個人が再認識することが大切だ。

 

私は、現役の経営者であるから、できるだけ多くの企業が、自社の仕事のためだけでなく、世の中に貢献するための社員教育を実施する会社を増やしたいと思っている。ただし、それは、今までのビジネス教育の専門家でなくてもできることも多い。社会貢献分野での活動家もそうだし、今どきであれば、大学生や高校生から教わることもできる。いずれにしても、企業と言う小さなコップの中ではなく、社会を見た学びが必要な時代が始まっている。

 

 

以上