近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

今どきのアイデアの活かし方

イデアを生み出して仕事をする。

実は、これは私が約30年前に創業した時の願望だった。

当社の名前はブレインワークスだが、最初は、アイデアという名前を使う考えだった。色々と斬新なアイデアを生み出しながら事業展開する。こんなイメージの会社を創ろうと考えていた。

 

実際に創業したのが31歳だから、それまでの2、3年はこんなことを想いながら、社名もあれこれ考えていた。で、行きついた結論は、アイデアという言葉があまりにも、ありふれていて、考えれば考えるほど社名にはやめておこうと思うようになった。

そして、ある時、ブレインがひらめいた。アイデアは頭で考えるのだから・・こんな単純な発想だった。以来、国内外で、この名前を使ってきた。自画自賛するわけではないが、最近つくづく良い名前になったと思う。なぜなら、ようやく会社と言うか、私たちのやっていることの世界で、名前と体が一致してきた感覚がある。

 

私はこのブログでも書いたことがあるが、20代、仕事でアイデアが出せなくて、自分に失望していた時期がある。要するに、上司から企画を考えろと言われても、正直、まっさらから何も生み出すことが出来なかった。

人真似はできてはいたのだが・・。

 

今から振り返れば、一番の理由は、そもそもアイデアを生み出す土壌が出来ていなかったと思う。農業で言えば、肥えた土地でないと良い野菜はできない理屈と一緒だ。やっぱり、良い土壌づくりには、時間がかかる。

それと、もう一つの理由がある。それは、アイデアを出すことを目的に考えていたからだと思う。要するに、アイデアを使って、何をしたいかが定まっていなかった。上司にアイデアを出すように言われて、考える。

今考えてみれば、こんないい加減な状態でアイデアなど浮かぶわけがない。

 

創業して、そろそろ30年。土壌も継続して耕してきたし、そもそも、アイデアに焦点を当てるのではなく、社会の課題を解決したり、人間らしい生活をするためのサービスとは何かを考えたり、新興国の貧困対策に貢献したり、日本の高齢化の課題解決の方策を考えたり、昔に比べるとそれこそ真剣に仕事や活動に取り組んでいる。

 

イデアを出そうと思わずとも、幾らでも浮かんでくる。こんな感覚が今である。

ところがである。そもそも、この30年、世の中や生活環境も劇的に変わった。デジタル時代でもある。SNSに代表されるが、ネットも世界中に拡がった。

世界中の人のアイデアや知恵、先行事例などは、幾らでも入手ができる。

こんな時代に、自分のアイデアなどたかが知れていることを実感する。創業時にアイデアから連想して命名した社名のブレインワークス。最近は、このブレインワークスというのは、そもそも、他人の脳を活用することであり、私たちのすることは、そういうつながりを創造したり、そのつながりによって醸成されていく智慧や叡智を土壌のように蓄積していったりする役割だと思っている。だから、個人的にアイデアが豊富な人には最近は余り関心がない。

そういう人ではなく、人とのつながりを大切にして、人の話を謙虚に興味深く関心をもって傾聴し、そして、自分の考えや意見を返す。

こんな基本的なことが出来る人が複数集まれば、社会解決のために、世の中が必要とする新商品や新サービスはいくらでも生まれてくると思う。

 

こう書くと、ブレインストーミングということになるが、もっとこういう部分的な事ではなく、同じ想いを持つ人たちのビックデータのようなイメージだ。こういう社会が進展していくと、自ずと会社経営のあり方も変わっていく。本当の意味でのブレインワークスを実現しようと思う。

 

 

以上