近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

他人も変わらないし自分も変わらない

人は変わる。

人間は人生の中で実に様々な体験をし、人間づきあいを通じて変わる。

人間は成長するのが自然体だ。

ところが、他人を変えようとすると、当たり前の話だが、思う通りにはいかない。

私が社会人になって、初めて部下を持ったのは26歳の時。それまでは、部下はいなかった。一応、上場会社のゼネコンには就職したものの、建設業が大不況で、4年間部下が入社してこなかった。転職した先で初めて部下を持ったわけだ。

 

この時は、部下を育成するという事に、特段の意気込みもなかった。なにせ、26歳にして初めて部下を持ったわけで、上司然としたことなど当然分かる訳ではなく、単なる良きお兄ちゃんだったと思う。

2年後に転職した先で、今度は部下が数人に増えた。この時も変わらず、良きおにいちゃんで、仕事は教えることはあっても、それ以外の考え方や価値観など、何も伝えなかったと思う。

 

要するに、人間として付き合うのは面白くても、上司部下と言う感覚はあまり持っていなかったからだと思う。そんな中でも、尖がった部下とは衝突をしたこともある。私の指示や言動が気に入らないと、口を利かない部下もいた。単なる中学生の喧嘩のようなものだ。

 

こんな感じて、部下を育成するという強い意志も体験もないまま、31歳で独立した。そもそも、社員を多く抱えようと思って創業した訳でなく、3年ほどは、前職までの知り合いとパートの人たちと、のんびりしていた。

震災後のある時、オフィスを借りた時から、会社経営に真剣に向き合うようになった。

 

ソフトウェア開発の仕事が一気に軌道に乗り、社員があっという間に100人を超えた。この辺りから、私のやりたいことが定まって来た。単にパソコンで仕事するだけの社員が集まっても会社の価値はほとんどないと考えた。今にしてみれば、極端すぎると思うが・・・。

 

そして、社員教育を徹底した。

自分がお手本になるほど出来ていたわけではないから、様々勉強をしながら教えた。挨拶、人付き合い、組織運営に関して、顧客対応など。

見よう見まねだったが、とりあえず真剣に臨んだ。結果、そういう教育をする会社では働きたくないという社員は辞めていったが、以来、自社の教育と他社の教育にまい進した。

 

日本だけでなく、ベトナム人の現地企業に対しても相当数の教育サービスも行った。

そんなことを長年やってきて、今は確信に至っているが、教育の機会は確かに、きっかけにはなるが、無理やり他人を変えることはできない。

どんな世界でも共通しているが、やはり、自らが気づく。本気になる。変わろうとすることが最低限必要だと悟った。

 

以来、仕事のやり方や勘所は教えるが、他人を変えようとは思わなくなった。

人間関係で悩む人だらけだ。人間が自分一人だったら悩みはほとんどなくなるだろう。やはり、人間同士、どう付き合うかで悩みが生じる。

 

他人が変わらないとしたら、では、自分が変わればよいじゃないか。ということになるが、最近これも難しいと思うようになった。

私はもうすぐ60歳になる。別に子供返りしている訳ではないが、それなりに仕事スキルも身に付けて、ある程度の人間づきあいも覚えて、海外の人とも仲良くして。

 

確かに若い頃に比べたら成長したなとは思うが、そうなればなるほど、自分の子供の頃からの性格は変わらないと強く感じるようになってきた。要するに、変わる部分と変わらない部分があることに気づき始めた。

頑固な人は、長生きすると言う説もある。

私の周りを見ていても、そんな感じもする。それはもしかしたら、絶対変わらない自分を大切にしている人なのかもしれないと、最近思うようになって来た。それが例え、欠点であってもである。

 

 

以上