近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

パンかごはんは結構大きな私のテーマ

日本人が米を食べる量が減り続けている。

人口が減ってきている背景はあるものの、最大の要因はパンを食べる人が増えてきたからであると思う。

 

農林水産省によると、1962年の国民1人1年あたりのコメの消費量は118.3㎏である。この年がピークのようだ。年々減り続けてきて、2020年には、50.7㎏になっている。たまたまであるが、私が生まれた年をピークに減り続けている訳である。

 

様々な人が減少の要因を分析していて、ネットにも幾つかの報告書がある。ざっとまとめると、外食が増えた、単身が増えた、食が多様化した・・などなど、専門家でなくても思い当たる理由が沢山ある。

言うまでもなく、日本人の主食は米である。少なくとも私や年齢層が高い人はそう思っている。実際、私の朝食は90%以上米である。出張先でホテルの朝食でパンを食べたり、コンビニのサンドウッチで済ませたりすることはあるが、私の基本は米である。

 

どうしてそうなのかと言えば、農家だったこともあり、米で育った人間だし、今でも和食が好きだからだ。もちろん、昼食などには、時々は、レストランでパンも食べる。

米とパンとどちらが好きだと聞かれれば、どっちも好きと答える。

 

ただ、米を食べる機会が圧倒的に多い。やはり、子供の頃の習慣で、たっぷりのご飯に少しのおかずの食が馴染んでいるからだ。

実は、今、私は、日本人が如何に米を食べるかを私の人生で一番真剣に考えている時である。

まだ、正直取り組んでいるとまでは言えない部分があるが、日本人がもっと米を消費する機会を増やそうとあれこれと活動を始めようとしているところだ。

 

単純に考えれば、パン食をごはんに変えるような活動をすればよいのだが、色々と勉強しているともっと根っこは深い。

そもそも、日本の農業の根幹である米が消費されないと、日本の農業が衰退どころか壊滅する恐れがある。それは食料自給率の問題と直結している。パンの原料である小麦はなんと約90%が輸入である。一方米は輸入米もあるものの、約90が自給である。

 

今の最大の問題は、米の消費量が減ってきて、ずっとコメ余りが続いていることである。だから、海外に輸出しようという動きもある。実際、私の会社でも、ベトナムでの日本のコメの販売に取り組んだことがある。

約10近く前、新潟のコシヒカリを当社が運営していた日本物産館で販売したり、当社が始めた日本食レストランで利用したりした。

 

実際に日本のコメは評判が良かった。ただ、値段が高い。これを物価水準が日本に比べて1/5程度の国で、日本産のコメが定量的に売れるかと言うとそれは疑問だ。

そもそも、ベトナム米食とパン食が上手にバランスの取れた国である。フランスの植民地時代の影響だと思うが、おいしいパンが都会だけでなく、結構な田舎に行っても店先で売っている。行商のおばちゃんがフランスパンを売っている様は、ベトナムの風物詩でもある。

 

一方、知る人ぞ知る。ベトナム人はご飯もよく食べるが、麺類もそれ以上に食べる。朝食からフォーと呼ばれる麺の料理を主食とする。

実はこれは、米粉なのである。有名な春巻きの皮も米。こんな風にベトナムは米を食する機会が日本より圧倒的に多い。

私は、日本人はもっと米を食べるべきだと思っている。米農家が衰退してしまったら、食料の安全保障が揺らぐし、更に自給率は下がる。そして、水田がなくなり自然資源が痛むことになる。

 

端的に書くと、これからの日本はもっと米を消費することが国民としても大切な取り組みになる。今、学校給食でオーガニックの食材を活用しようという動きがちらほら始まっている。安心安全の食で健康であることは重要だ。食育も大切だし、日本の農業の維持発展のための貢献も大切だ。

 

だからこそ、米をもっと消費するのが何よりも必要だと思っている。

 

 

以上