近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

シニアに教わりたい人はどれぐらいいるか?

一言で言えば、元気なシニアは教え魔が多い。


これは今に始まったとこではない。私の子供の頃からの記憶でもそういう感じはある。それから数十年経った今でも高齢者は教え魔が多いと思う。


これは考えてみたら、人間として当たり前である。背景としては、それだけ人生経験が長くなると個人差はあるとはいえ、知識や知恵と言うのも相当な蓄積だろうと推察がつく。

私はもうすぐ60歳だが、概ね自分より下の層を見渡した時に、若手に語ろうと思えば、確かに沢山あるなと思う。

もう一つ、シニアが語りたがるのは自分の体験である。きっと、走馬灯のように湧き出てくるのだと思う。人間の記憶のメカニズム通りではないだろうか。エピソード記憶と言うのがある。それを何度も何度も語っていく。

 

年齢を重ねるという事はそういうことでもある。知識や知恵、体験は伝えたくなるのは自然である。もちろん、中には、本当に心得ている方も少数だがいらっしゃって、相手から聞かれた時だけ、聞かれたことだけ答えるという方もいる。

ただ、私の知る限りは特殊である。

 

やっぱり、大抵のシニアは何度も同じことを話しをするし、話が総じて長くなる。私はある程度はこういう性は理解しているつもりだ。ただ、世の中の実態としては、こういう理由で、シニアの方との話を敬遠してしまう人が多い。

聞き手もできるだけ話を短くできるように色々工夫しているのが実情ではないだろうか。


私は、人間の社会的特性として、文化の伝承があると思っている。ただ私が考えたのではなく、遺伝子を研究している専門家の意見に同意している。つまり、人間には遺伝的伝承と文化的伝承がある。

 

そう考えると、シニアの話や教えと言うのは、文化的伝承の表れだとも思える。だからと言って、それを聞く側に気を使って我慢をして、聞いてあげましょう。というのでは現実的な解決にならない。

そこで、お互いの前進が必要なのである。
では、シニアに限らず、誰かに学びたい人がどんな人に学びたいかを考えてみる。
簡単に言うと、大学の先生にしてもコンサルタントにしても場合によって経営者の教えにしても、昔のことばかり言われると聴きたくない人が多いのではないかと思う。

ITが進展して情報過多の時代。ちょっとネットで調べればわかる時代、誰かが知っていそうなことをSNSで簡単に見つけられる時代。

こんな時代には、その人の昔のことは頑張っても一度聞けば十分だ。

やはり、皆、今を知りたい。特に話しするひとつの今の体験を知りたいのである。そして、未来については、過去をベースにしたり顔で話する人に未来の予測を教えて欲しいのではない。一緒に考えていきたいのである。行動したいのである。

そういう意味では、たった10年ぐらいで時代は一気に変化している。


人が何かを学ぶ、何かを知ろうとしたときのやり方が劇的に変わっているのである。昔であれば、今の体験や挑戦を共有する方法は限られていた。

 

しかし、過渡期とはいえ、SNSで発信することもできる。シニアでもSNSを使っている人は増えてきた。そこでシニアが昔のことばかりを表現し発信していたのでは、特定の関係者以外は見向きもしない。
だから、考え方を変えれば良い。

そういう意味で、これからの社会の学びはどんな立場の人でも、お互い様なのである。

 

ガンジーの言葉がある。

"明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい。"

 

実はこれは年齢は関係ない。お互いのこういう関係が出来てきた時、シニアが教わる、シニアが誰かに教える。こういうことが自然にできる時代がITの進展と相まって実現出来る期待感がある。

 

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以上