近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

個々がどう生活したいかでテクノロジーを選択する時代

デジタルディバイドは、IT業界ではよくつかわれるが、一般的ではない。

 

デジタルは概ねコンピューターのことを指す。今のようにスマホが日本中に行きわたる前から、使われていた表現だ。

 

パソコンが登場してからすでに40年近くになろうとしている。パソコンを使うことをデジタルの世界と表現して、アナログとデジタルという対比で使われてきた。

 

最近の若い世代は、初めて仕事で使うのがパソコンになるので、自然となじみやすい。一方、それまで、アナログの世界で仕事してきた人は、パソコンを使うのに四苦八苦する。

 

そして、インターネットが登場して、スマホが当たり前になってくる。ビジネスの世界で考えたら、パソコンよりもスマホが使いやすい部分も多い。他人との連絡などは、わざわざバソコンを使わなくてもスマホで事足りることも多い。

 

スマホは明らかにパソコンよりも使いやすかったはずである。

ところが、最近、私の周囲でも戸惑っている人が多くなったのもスマホだ。

 

それは様々なアプリやサービスが登場して、スマホでなんでもできるようになると、今度はサービスを提供する側からの要求が重荷になってくる。

 

特に高齢者やアナログの世界にまで、スマホでサービスを利用したり、行政的な手続きもこちらにシフトしたりする流れだ。

 

これからは、IT業界を越えて、生活者も巻き込んだデジタルディバイドが大きな問題となってくると思う。

 考えてみたら、パソコンやスマホなどが象徴的だが、全ての人にとって、常に使いやすいとは限らない。

 

スマホのような小さな画面に何もかも生活に必要なサービスを入れられると、利用者はたまったものではない。私も仕事柄、スマホを使う機会は平均的な人より多いが、そうすると、せめてプライベートな時間は、アナログの生活を選択したいと強く思っている。

 

 

 

コンピューターもテクノロジーである。科学技術の加速度的な発展で、テクノロジーに囲まれて私たちの生活があることに気づく。

これらを総称して、デクノロジーデバイドが新たに生まれてきそうに思う。

 

人の移動で考えてもわかる。

時と場合と場所に寄るが、移動する手段は幾つかに限られている。車かバスか電車である。そして、バイク、自転車、徒歩。

 

長距離なら話は別だが、数キロぐらいだったら、どれを選択しても本人の自由だ。もちろん、徒歩が一番時間がかかるが、数キロでも早い人であれば、歩いて一時間少しだ。時間に余裕があったり健康志向であれば、歩くことを選択しても良いわけである。少し早めたければ走ればよい。こういう風に、最新のテクノロジーを使うか昔ながらのアナログの歩くことを選択するかは自由である。

 

人とのコミュニケーションの場合はどうだろうか?

今は、圧倒的にメールかSNSを使う人が多いと思う。私も仕事ではよく使う。だが私の場合は、それ以上に電話を使う。

 

電話もテクノロジーと言えるが、今でも昔ながらの手紙やはがきを好む人もいる。デジタルに偏りつつあるが、それでも多様である。個人個人が選択しているのである。

 

これからもますますテクノロジーが進化し、私たちの生活の環境には当たり前のものとなって行く。しかし、デジタルデバイドと同じように、テクノロジーデバイドが生まれてくると、アナログ思考の人やテクノロジーに依存しない人は、とても生活がしずらくなってくる。

 

社会やビジネスの世界の効率化や合理化ばかり優先すると、一体人間は、何のために科学技術を進化させながら生きているのか?とう究極の問題にまで発展してしまいそうに思う。

 

アナログの世界を常に選択肢として残しながら、デジタルやテクノロジーを有効に活用する。こういうバランスを常に考えて、多様な選択ができるように、個人個人が声高に社会や企業に求めていくことが大切だと思う。

 

以上