近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

ゲーム脳やスマホ脳を心配する前に出来ること

ゲーム脳スマホ脳。

こういう言葉は刺激的であり衝撃的である。

 

これらはいずれも書籍のタイトルでもよく使われるようになった。

脳科学者が著したものもあれば、そうでない立場のものもある。

脳科学については、科学的にも賛否あるようだ。

 

創業した約30年前から、私はゲームの悪影響を心配してきた。

拙著にも私の意見は記してきたが、その当時のゲームブームは特にひどかった。

 

バイオレンスなコンテンツが席巻していて、ゲームそのものというよりもコンテンツが暴力的であったり、争いを助長したりするような内容ばかりだった。

 

私は真剣にワクチンゲームの開発を考えて、同じ神戸の起業家でゲーム開発をしている社長に、相談したことがある。見積額は2億円。資金調達も積極的にしていた時期で、こちらに社運を賭けるのであれば、できなくはなかったが、果たしてビジネスとして成立したか?

今振り返れば、早すぎたと思う。

 

そして、30年近くたった今、かつてのバイオレンスなゲームは様々な問題を起こした中で、世間での批判も高まり規制が強化され、表向きは目立たなくなった。

 

しかし現実は違う。ネットの世界は闇だ。見えない世界は無限に広がっていると言っても過言ではない。コロナ禍の巣ごもりの中、ますますデジタルのコンテツが利用される。

今は致し方ない中で、せめて健全なコンテンツであることを願う。

 

やはり、こういうゲームの影響にしてもスマホの影響にしても、心配なのは子供たちである。

大人でもゲーム中毒やスマホ中毒になってしまう人が後を絶たない。私は専門家ではないが、ゲームなどにハマるとモルヒネが出るのが人間の特徴で、子ども達は特にハマりやすい。

 

ゲーム脳と言う表現は、そういう意味では、歴史は長い。一方スマホ脳は比較的新しい。

 

実際今、私もスマホ中毒になっている自分に気づくことがある。私の場合は、仕事柄ためしておこうという目的が一番だが、それでも、知らず知らずにミイラ取りがミイラになってしまう。

特にスマホでゲームをすることはとても強力な刺激であろう。

 

私は、かつてパソコンゲームに1年ぐらいハマったことはあるが、あっさりと卒業した。

経営者をしていると、とてもゲームをする時間などないし、誤解を恐れず言うと、経営の方がゲームよりよっぽど刺激的だからである。

 

今のスマホに関しては、生活や仕事で使おうと思えば何でもできる気になる。実際、機能やサービスが外部サービスとの連携の中で際限なく進化する。だから自分が意志をもってスマホ依存から抜けないと、知らず知らずのうちに、スマホがないと生活できない状態に陥る。

 

もう一度整理する。

ゲームはなくなっても生活や仕事にあまり支障はない。基本的には娯楽のひとつである。

スマホは今や生活や仕事には欠かせない状態になっている。ゲームとは利用目的が違う。

なかなか、スマホを持たない生活と言うのは、難しそうにも思える。

 

私は今のスマホはいずれなくなると思っている。正確には進化するという期待感を持っての意味だ。こちらは、また別の機会に書くとする。

 

では、ゲーム脳にしてもスマホ脳にしても、仮にこういう世界に一時的にハマったとしても元の世界に戻れる力というのは何か? 

それはどうやって身に付けるのか?

 

いつも、こういうテーマの対象は弱い立場の子供だ。成長の過程で本来体験したり学習したりするべきことは他に沢山ある。

その中でも一番重要なことは自然に触れること。できれば自然の中で生活すること。

 

 

成長の過程で、こういうことを土台として身に付けてからスマホを使う。たまに、スマホでゲームをすることもありだろう。今の大人が中毒になって抜けきれない人が増えているのも憂慮するべき問題ではあるが、アナログ世代として生きてきた人たちは、簡単にはハマらないと思う。

 

私は、デジタル機器に時間を占有されることは、子供たちの健全な成長に間違いなく影響があると思う。もっと根っこの部分に視点を向けないといけない。アナログ的な世界を知らなくても、本当に健全かどうかを、本人が判別できるスキルを身に付ける必要があると思っている。

 

また、自分で判別できないと、この先、私たちの生活の場に溢れ続けるデジタルや科学技術に振り回され続けることになる。

 

 

以上