近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

ストレス社会を生き抜く力の鍛え方

ストレスのない人はいないと思う。

働いていると、ストレスの話題があちこちに溢れている。そういう私も長年に渡ってストレスと付き合ってきている。

 

周囲からは、近藤さんはタフだよね。

という印象が強いと思う。

しかしながら、実際はそうでもない。

子供の頃からストレスは人一倍感じる方だったと思うし、そもそも、人のことが気になるタイプなので、そういうことがストレスの最大の要因だったように思う。

 

スポーツでもアーティストでもビジネスの責任者でも、何かで結果を出そうとすると、プレッシャーを感じる。

私の思うにプレッシャーというのは、必ずしもストレスと同じではない。

 

例えば、野球選手。試合に勝とう、良いプレーをしようとして少なからずのプレッシャーを受ける。これを除こうとすれば簡単で、そういうチャレンジを放棄すればよい。

 

しかし、そうはしないのが人間の不思議なところで、個人個人差があるが、今より成長しよう、今よりももっと上手くなりたいと目標設定して、日々努力する。日々の努力をすればするほど、本番でプレッシャーを感じる。

 

しかし、こういう類のプレッシャーは心地よいストレスと言える。

 

今でも鮮明に覚えているが、メジャーリーガーとしてバリバリ活躍していた頃のイチロー選手が、WBC(野球の)世界大会で日本代表として参加した時のこと。

大会中は不振で、最後の最後でヒットは打ったが、全体的には結果は芳しくなかった。

 

その後、メジャーに復帰したが、胃潰瘍が発表され、しばらく本番を休んだ。

こういう場には慣れているようで、日本代表という未体験を経験して相当なプレッシャーとともに結果それがストレスとなって、健康を害したわけだ。

この時の出来事は、驚いたと共に、どこかで私の心の支えにもなった。

人間と言うのは、生まれつきストレスに強い人がいるわけではない。

 

あるとしたら、人間は動物としての本能での生きる力があり、それを阻害することに対しては本能的に反応するようにできていると思う。

成長の過程で、社会や人間関係の中で様々なことを学び、多くの体験を積んでいく訳だが、常にストレスとの闘いとも言える。

 

過度のストレスでしんどい時は、ストレスが全くない環境を望みたいが、現実的には不可能だ。逆に言うと、適度なストレスは人間の成長には必要である。

先ほどのイチローの例で書いたように、過度になってくると心身に変調をきたす。

 

それと、ストレス耐性という言葉もよく使われるが、スキルと言い換えてもそれほどズレてはいないと思う。

ストレスに慣れることと、対処を覚えることが含まれると考える。

 

ストレスに慣れると言うのは、イチローの事例で分かるように、誰しも未体験ゾーンに突入すると、頭では分かっているつもりでも、想像以上に心身がストレスを受けていることがある。往々にして、それは、健康を害してはじめて気づく。

 

リスクマネジメントの考え方と一緒で、その体験を次に活かしていくことが大切だ。

自分はストレスには強い、ストレスは感じないと思う意志が強いほど、しらないうちにストレスをためることもある。

 

私は、40代ぐらいの時の私の口癖だったが、ストレスのない人はいない。自分もストレスが沢山ある。と思うところから対処を始めていた。

備えあれば憂いなしである。

 

もう一つの、ストレスの対処を覚えることであるが、これは、未然にストレスを防ぐことを考えることと、ストレスを強く感じている時の対処と両方ある。

 

未然には、ストレスを感じるのが当たり前というのを体験で覚えていく、どんな強そうな人でもストレスを感じていることを知るなどが大切だ。

 

ストレスを受けている最中であれば、いかに気分転換をするか。

私の場合だったら、宇宙のことを考える。海を眺める。水泳をする。など幾つか定番を持っている。これは年を重ねる中で、数は増えてきた。

 

 

色々な対処方法を身に付けてくると、ストレスで寝られないことも全くなくなってきた。

こんな自分の体験が役に立つかどうかは分からないが、ストレスを受けて大変な人に遭遇したら、人間誰でもストレスがあるよ。と教えるようにしている。

 

以上