近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

見えるものと見えないもの、人間はいかに関わるか?

これからの人間は、見えないものとどう向き合うか?どう関わるか?

が大きなテーマであると思う。

 

見えないものは大きく分けると3つある。

一つは、電波のように存在が解明されているが、人間の目には見えないもの。

もう一つは、見えるようにすれば見えるが、何らかの理由で、見えなくなっているもの。

そして、まだ、解明されていないので、分からないもの見えないもの。未知の領域とも言う部分。

 

今回は後者の2つについて、今私が考えていることを書こうと思う。

まずは、見えるようにすれば見えるが何らかの理由で、見えなくなっているもの。

私は、この領域の見える化を推進すれば、私たちの社会はとても健全になると思う。

 

対象となるテーマは多岐に渡るが思いつくことを順番に書いていく。

真っ先に思い浮かぶのが、環境問題。

例えば、日本には無くなったが新興国には山のようにあるごみの山。

日本もかつては、産業や生活のゴミを埋め立て地や山間部にそれこそ山のように捨ててきた。簡単に言えば、隠してきた。そして、それが明るみになり、産業廃棄物に関しての法律が制定され、罰則規定により、今はある程度コントロールされている。

 

ある意味、これは日本の過去のことである。

一方、新興国などでは、これが今普通に行われている。

人間は同じことを繰り返すのである。

これは世界中でそういう状態である。

アフリカのガーナで、先進国の家電製品などのゴミの山に苦しむ住民のために、改善活動をしている事業家でアーティストの長坂真護さんがいる。

 

彼の活動に共感して、彼の絵画も幾つか購入したが、こういう現実は、世界中沢山ある。今、捨てられている世界のゴミの実態を見える化する。これはとても価値のあることである。

 

次に思いつくのが、企業や政治家や行政の不祥事。民間企業と役所は役割や仕組みが全然違うが、いずれにしても隠すことが出来るという意味では同じだ。隠ぺい工作や悪事は後を絶たない。

健全なる社会にするためには、こういうことを悪いこととしてメディアが報道することも大切な事ではあるが、もっと根っこの部分を見える化してしまうことが必要だ。

 

もちろん、機密情報は隠すことが当たり前として、それ以外を徹底的に見える化する。健全な社会に近づく第一歩である。

 

あと、商売の見える化も大切である。

今は、ネットで顧客を簡単にだますことが出来る状態にある。

ITが発達する前は、確かに顧客は神様です。の人間対応による本気の時代はあった。

 

今は、顧客を大切にすると表では謳いながら、裏のネットやITの世界では、いくらでも顧客情報の悪用ができたり、購買欲をあおって余計なものを買わせるナンセンスなマーケティングとその仕組みが蔓延している。

こういう事も見える化して健全な社会に向かうべきである。

 

最後に、健全なサプライチェーンの問題もある。

私達生活者は、今日常で使っている商品がどこでどういう風に作られたかをほとんど知らない。

戦前のドメスティクな時代であれば、大抵のものは国内の原材料で国内で製品化されていた。だから、ある程度、健全なサプライチェーンかどうかはある程度判別できた。

 

ところが、今、世界中がつながっていて、例えば、日本人が日本で食べる食品の原材料がアフリカから来ていたとしても知らない。

アフリカだから悪いと言う話ではない。私達が、そういう国の何かを犠牲にして豊かな生活を享受していないかを見える化することで考えられるようになる。

 

こういう風に書き出すと、見える化できるもの、見える化したら健全な社会に貢献できるものが沢山ある。

今はIT活用が当たり前で、記録できる時代だ。見える化の劇的な進展にはITで記録することが重要である。

 

 

 

あと、見えないものを感じる力。

これは、会宝産業株式会社の近藤典彦氏が、よく使われている言葉である。

私も共感している。

科学や技術がますます発達していく。

いままで分からなかったことが解明される。古代には、全く、想像の世界であったことも真実が分かっていく。一方で、一部が見える化できることによって、膨大な見えない世界の視界が開ける。

 

私なりの解釈は、見える化できることはどんどん進んでいく。

そして、比例して同時発生的に見えない領域は増大していく。

 

こういうバランス感を持つことがこれからの人間には必要なスキルだと思っている。

見えないものを見える化し、見えないものを感じる時代が始まっている。

 

以上