近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

新興国で日本の信用は高いがそれは昔の日本の姿ではないだろうか

先日、驚きのニュースに遭遇した。

神戸の有料道路で、約13億円ぐらいの未徴収が発生したと。

私が昼間良く通る道であり、見出しだけでは何のことかよく変わらなかった。

 

記事の内容を要約すると、夜間は無人になり、自主的に通行料金を払うようにしているが、支払いしない人が相当いるということだ。ちなみに、この通行料は一回あたり110円だ。

 

ここは、私もよく利用する。今どき珍しくETC化されていなかった。私が通るのは昼間だけで、途中下車ではないので、必ず徴収する人がいて、210円支払う。

正直、ETC化すれば、人件費も節約できるのに・・と、ずっと思っていただけに、こういうニュースを聞くと、複雑な心境だ。

 

あともう一つ、数年間の累積がこの損失であると書いてある。

正直、真相は分からないが、定期的なチェックも怠っているということか?

何もかもが、理想通りとはいかないにしても、行政の予算もひっ迫している中、緩い現場の現状を露呈しているニュースでもある。

 

話は変わるが、今でも、田舎に行くと無人野菜販売所を見かける。

 



 

農家出身でもある私は、常に農家の人の気持ちになるが、本当に心温まる。精魂込めて作った野菜を売りたいのは自然だ。それを無人販売する。なんとピュアなんだろうと思う。

 

私もたまに買うこともあるが、常に余計な心配をしてしまう。地元の人は、絶対にお金を払うだろうけど、都会からたまたま来た人が、どうなんだろうか?大丈夫か?と勝手に心配してしまう。

冒頭の有料道路のニュースを聞くと、やはり、心配がよぎる。

 

日本は新興国では信用が高い。

こういうニュースが伝わった時、どういう反応が返ってくるだろうか?信用を失いそうで心配だ。

 

田舎の鉄道だと、無人駅もある。

日本の地方には、信用で成り立っている商売やサービスはまだまだ多い。

 

明らかに、都会と田舎のギャップは大きい。

私が18歳で神戸の都会に出てきた時の感覚が蘇る。

 神戸に出てきて、家の鍵を必ず施錠する習慣に驚いた。その頃の私の田舎では、家に鍵をかける必要はなかった。私が生活していた子供の頃は、地域には信用と言うベースがあった。

 

誤解をする人がいるかもしれないが、よそ者がいないコミュニティだった。だから、家には鍵をかけなくても平気だった。

こういう世界では、無人販売も完全に成立するだろう。

 

ただ、私の田舎も、年々変化してきて、気づけば、当たり前に家に鍵をかけるようになった。

今は、コロナ過をきっかけに自然環境をベースとした地方回帰が進行している。

 

都会化がすべての諸悪の根源ではないにしても、

やはり、田舎の信用社会、安心安全な社会を起点に生活環境を再構築する絶好のチャンスだと思う。

 

新興国などから見たら、日本は美化され過ぎていると思う。東北大震災の時が特にそうだが、被災者の方々の言動が世界で共感を呼んだ。

海外の友人に直接褒められると、正直いやな気はしない。

 

一方で、実態とは違う部分があることも分かっている身としては、複雑な心境だ。

実際、こういう被災の現場では、犯罪や犯罪まがいの事件も起こっている。

阪神大震災でもそうだったが、やはり、海外へのニュースは日本人の良いところだけが流れる。

メディアが意図的にそうしているとは思うが、新興国などと深い信頼関係を構築するには、事実を知ってもらう必要がある。

 

世界で日本人の評判が良いのは嬉しいことではあるが、実態としては、年々、本来の日本人の良さは失われている。信用と言う視点で見ても、すでに日本はまだら模様である。

 

概ね田舎にはいまでも信用社会がある。

都会でも、人それぞれで、信用できる人は少なからずいる。しかし、都会は乱れているのは間違いない。

都会に長年住んでいる私自身の言動を見直す機会としては、インパクトのあるニュースだった。

 

 

以上