近藤昇の「仕事は自分で創れ!」

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

知的ビジネスにおける二刀流で活躍するために必要なこと

ひょんなことで巡り合った本がある。

ハマトンの知的生活だ。

色々なことで知的というキーワードに最近凝っていて、そんな探索の中で巡り合った。

 

書かれたのは50年以上前、英国が舞台なので、なかなか、背景なども含めて読み込もうとするとタフな本だ。500ページを超える単行本で、読みかけて2週間になるがなかなか進まない。隙間時間で読んでいることもあるが、それでもライトな単行本だと2時間ぐらいで終わるのだが、まだ時間がかかりそうだ。

 

読み終わったら、オンラインの書籍紹介Bブックでと紹介を考えているが、今日は、この本の途中で巡り合った時間の使い方がとても参考になったので、書いておこうと思う。

 

簡単に言えば、知的生活をするためには、時間の使い方、かかわり方はとても重要で、よくよく考えなさい。という内容だ。

 

実際に、知的生活を好む人は、好奇心が旺盛で、次から次へと取り組みたいことが出てくる。

できることなら、自分が関心を持ったことには全てプロ並みに精通したいと思う。

 

一方で、大学の先生で科学者の方とお付き合いしていて分かったのが、狭い範囲でもいくら探求し続けても際限がないことだ。科学は永遠に未知の追求であり、未知への挑戦である。だから、狭いのではなく、深いしゴールがないわけである。

一つの事を極めると言うのはこういうことかと最近妙に納得している。

 

こんなことを考えながら、では、私自身はこれからどうしようかと色々と考えている。

 

こんな時にこの本に出合った訳である。

色々と重厚に書かれているが、私が印象に残ったのは、まず、徹底的に自分が強い分野を軸とすること。私の年齢になると、今までに主にやってきた仕事のことになる。私は、ITになる。そのうえで、他は時間が許す限り、新しい分野にトライすればよいが、いままでやってきたITと同等以上の時間を割けるかと言うとそれは無理だ。

だからと言って、諦めるわけではない。

 

この本にはこうも書いてある。時間の使い方で目の前の事ばかりを考え過ぎてはいけない。仮にあと10年あるとして、自分が知的生活として極めたい分野に何時間割り当てができるか考えてみると良い。確かに、計算したらすぐにわかる。

 

例えば毎日2時間ずつ、新しい分野を極めるのに割り当てたとして、1年で730時間、10年で7300時間。これだけかけて出来る事は何かである。

 

考えてみたら、ビジネスパーソンの世界で当たり前に言われていることがある。その仕事を10年続ければ誰でもプロになれると。あるいは、一つの事にだいたい1万時間かければプロになれるという話もよく聞く。要するに、何事も極めようと思えば、時間が必要であることをよく考えよ。ということである。

 

この本に戻ると、この本は知的生活の勧めのような本なので、知的生活をしようと思う時には、良く時間と相談しなさい。という意味と私は考えた。

 

この本を読み終わった時には、また、考えが変わるかもしれないが、この時間の考え方は今の私にはとても刺激になった。

 

ここで、一つ、二刀流について、常に考えていることと重ねて考えてみたい。

今、二刀流と言えば、エンゼルスの大谷選手だ。怪我もあり苦難の道でもあるが、世界の人が称賛しているようにとても素晴らしいチャレンジだと思うし、一ファンとしても大活躍を願わずにはいられない。

 

その一方で、メディアの議論に乗っかっている訳ではないが、彼が一つに絞ったらどんな凄い選手になるのだろうか?と私もここ数年、あれこれ想像している。概ね世間の予想とあまり変わらないが。

大谷選手はきっとどちらを選択しても、今までで最高の日本人メジャープレーヤーになる可能性はあると思う。

 

ここで時間の使い方に話を戻すと、結局は、大谷選手にとって、一般の選手は打者か投手どちらかに専念する(と言っても、ほとんどがそういう世界)中で、単純計算しても時間は半分しかないわけである。プロ野球選手の全盛期の選手寿命を考えて、なかなか困難と言わざるを得ない。

 

とはいえ、本人の選択だし、それは同時に、困難にチャレンジする彼に共感して応援している私たちがいるわけで、なにをもって超一流と言うか?何をもって凄いと言うか?こういう尺度の問題だと思う。メジャーリーグも野手や投手の区分とは別に新たに二刀流枠が出来てくる。こういう流れが自然だ。

 

これを自分事に置き換えて、二刀流や三刀流を極めるビジネスのジャンルがあっても良いし、書道と絵画のようなアートのジャンルであっても良い。

特に、ビジネスはデュアルワークが普及していくという事の流れには合致している。ただ、大谷選手のケースのように、二刀流で一刀流の領域に伍すことは極めて困難だ。

 

しかしビジネスの世界では、個人のフィジカルな勝負ではなく、知的な領域であり、しかも、ITを巧みに使いこなせば、二刀流、三刀流で、一刀流とそん色のない知的ビジネスができる時代が来ているのではと思っている。

 

 

 

以上